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■国道15号線と高輪大木戸跡
国道15号線はいわゆる第一京浜と呼ばれ、その昔は都電第1系統
が走るなど、古くからの街道である。泉岳寺交差点付近には、高輪
大木戸と呼ばれる遺跡が存在する。江戸府内への入口として設けら
れた木戸であり、四谷や板橋にも設けられていたが、遺跡として現
存するのは、東海道に設けられたこの木戸のみである。
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■国道15号線よりJR線路を望む
高輪大木戸を過ぎた場所に、一方通行の路地が存在する。小さな路
地なので見落としてしまう程である。路地は国道を離れてすぐ直角 に曲りながら急坂を下っていく。
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■高輪橋架道橋(遠景)
急坂を下ると、その先には極端に天井の低いガードが目に入る。こ
れが高輪橋架道橋である。厳密には架道橋とはJRの線路のほうを
指すが、JR線路自体は何の変哲もないガーター橋であり、むしろ
下をくぐる自動車道のほうが興味深い。トンネルは周囲より窪んだ
形状となるため、入口部分には「降雨時の冠水に注意」と書かれた
電光板が設置される。
※矢印を画像にかざすと「高さ制限標識」
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■高輪橋架道橋(近景)
トンネル入口を正面から撮影。画像は作者の目の高さから撮影して
おり、その低さがお分かりいただけると思う。道路の右側には水の
澱んだ水路があるが、このトンネルと全く同じ形状をしている。こ
のトンネル自体も昔は高輪大木戸へと繋がる水路であった。つまり
このトンネルの「高輪橋」とは水路に架かる橋。暗渠化の後、道路
に転用されたと思われる。
※矢印を画像にかざすと、隣の水路の画像に
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■JRガード下を進む
トンネル入口はJR線のガードとなっており、頭上スレスレに列車
が轟音を立てて通り抜ける。ガーター橋自体も簡易な構造であるた
め、真下から見上げれば線路がまる見えで、列車通過時は恐怖を覚
える。
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■トンネル部を進む
京浜東北線のガードを越えるとトンネルとなる。高さ制限1.5m
のトンネルではあるが、この部分は、身長168cmの作者でも屈
む事なく普通に歩く事ができる。トンネルは車道と併用になってい
るが、分離されているとは言え多くの車は結構なスピードを出して
おり危険極まりない。
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■さらに低くなるトンネル
トンネルを半分ほど過ぎるとさらに天井が低くなる。トンネル入口
に記されていた「高さ制限1.5m」とはこの部分を指す。ここか
ら先はトンネルが新しくなっており、道路もやや左側にカーブして
いるので、新たに掘削された部分である可能性がある。 |
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■天井に残る無数の擦り傷
一段と低くなったトンネルの天井部には無数の擦り傷が残る。これ
はタクシーがこのトンネルに差し掛かった際、タクシーの上にある
行灯を擦った跡と思われる。一部のタクシーでは行灯の高さを低く
するなど対策を行うが、それでも時々この場所を含む通行不能区間
を記載したステッカーが貼られたタクシーを見かける。なお都内で
は他に、大田区中央2丁目ガード、足立区柳原東武線ガード、江東
区北砂越中島貨物線ガードも該当する。
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■トンネル内にある謎の扉
そろそろ出口も近い場所に、謎の鉄製の扉が存在する。扉の奥には
上に上がる階段が見え、恐らくJR東京車両センターに通じている
ものと思われる。
※撮影日はペンキ塗りの作業が行われていたため、作業員さんの邪
魔にならぬよう撮影を行っております。
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■トンネル出口付近
首を傾げながら歩くこと数分、ようやくトンネルの出口に辿り着く。
出口付近が上り坂となっているので、油断をすると頭をぶつける可
能性あり。
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■トンネル出口
トンネルを出るといきなり右方向への急カーブとなる。その先には
品川の高層ビル群が遠くに眺められる(矢印を画像にかざすと品川 高層ビルの画像に)出口付近は東海道新幹線の高架橋となるが、そ
の高架橋は画像の最上部であり、トンネルとの間に挟まれた謎のガ
ーター橋は不思議な存在。このトンネルは上部にJR線路が、下部
には水路や横須賀線のトンネルがあるため、このような形状のまま 今日に至る。
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