にょほほ電鉄−車両−秩父鉄道
秩父鉄道は、秩父、寄居、熊谷、羽生など埼玉県北部を東西に横断
する秩父本線と、貨物線の三ヶ尻線を所有する鉄道。路線長は70
キロを超える。沿線は秩父や長瀞など観光地が多く観光事業に力を
入れる一方、武甲山にて産出される石灰石輸送が盛んとなる。南関
東では唯一、動態保存の蒸気機関車を保有し、冬季を除く土日祝日
には「パレオエクスプレス」として運行されている。
駅名標 秩父鉄道
駅名標は2022年より、訪日外国人旅行者に分かりやすく、また
沿線住民にも愛着を持てるよう、多言語化および沿線地域の自然や
歴史の特色を活かした駅名標へと変更された。

和文書体:新ゴ
欧文書体:Helvetica
以前は国鉄ふうの駅名標であったが次第に姿を消しつつある。所在
地名の記述が次駅と前駅の間にあったのが特徴であった。2017
年に開業した「ソシオ流通センター」と2018年に開業した「ふ
かや花園」は新デザインによる駅名標となっていたが、2022年
の新駅名標への移行に伴い消滅している。
※矢印を画像にかざすとソシオ流通センター駅の旧駅名標へ。

■C58形蒸気機関車(1988年)
■12系客車(2000年)

埼玉県の観光振興の一環として、さいたま博に合わせて運行を開始
した「パレオエクスプレス」に使用される車両で、南関東では唯一
の動態保存の蒸気機関車である。元々沿線の小学校に保存されてい
た車両を復活させた。客車は2000年に、JR東日本より12系
客車を新たに購入、塗色を蒸気機関車に雰囲気を合わせた緑色とし
た。3月〜12月初旬の土日・祝日の運転。

■6000系(2006年)

急行用車両。もと東日本旅客鉄道165系を改造した3000系の
老朽化に伴い、西武鉄道より101系を譲受のうえ導入した。室内
は西武10000系の余剰品を流用しクロスシート化。また3扉の
車両であったものを2扉化したため中央の扉は埋められ大型固定窓
が設置されている。塗装は3000系を踏襲した白地に水色の塗装
であるが、6003編成は2014年に秩父鉄道の旧塗色である茶
系のものに変更された。急行「秩父路」のほか2022年より一部
の各駅停車でも使用される。
■7800系(2013年)

秩父鉄道の最新鋭車両。7500系の2両編成版で、輸送効率を考
慮して登場した。ただし前面形状は7500系と異なりオリジナル
となる。三峰口側先頭車は電動機を撤去しているが、これが仇とな
り営業運転初日に(悪条件が重なったものの)浦山口駅で勾配を登
れなくなるアクシデントに見舞われた。そのため後に滑走防止装置
が設置されている。2013年3月に営業運転を開始した。


■7500系(2010年)

1000系の老朽化に伴う置換え用途として東急より8090系を
譲受し3両編成化のうえ導入した車両。同じく東急からの譲受車で
ある7000系とは種車の違い以外に差はなく、仕様・性能は同等
である。一部車両には沿線の観光地をアピールしたイラストがラッ
ピングされており、7502編成は沿線で発掘された化石や生息す
る生物を表した「秩父ジオパークトレイン」、7507編成は沿線
の美しい景色や食べ物を表した「彩色兼備」として運行される。
■7000系(2009年)

1000系の老朽化に伴う置換え用途として東急より8500系を
譲受し3両編成化のうえ導入した車両。種車の制御装置である界磁
チョッパ制御は秩父鉄道では初の導入となる。また秩父鉄道初の電
気指令式ブレーキ装備車となる。2編成が導入されるが、7002
編成は中間電動車からの改造であり、前面形状が若干のっぺりして
いる。
※画像は7001編成。
■5000系(1999年)

東急7000系を改造して導入した2000系が、4両編成で輸送
力過剰、しかも冷房化も困難であった事から、当時廃車が進んでい
た東京都交通局6000形を譲受し導入した車両。外観は三田線時
代と大差ない。4編成が導入されたが、うち5004編成が事故で
引退したため現在は3編成が活躍する。

■3000形(1992年〜2006年)

急行用車両。東日本旅客鉄道165系を譲受し導入された。秩父鉄
道初の冷房車である。前面形状は種車の雰囲気が残るもののオリジ
ナルに改造されている。6000形の登場により、2006年11
月に引退した。
■1000系(1986年〜2014年)

吊掛け駆動による旧性能車両の置換えのため、東日本旅客鉄道より
101系を譲受し導入した車両。当初は冷房装置が搭載されてなか
ったが、後に両先頭車のみであるが冷房化改造を施され塗色も白地
に青・赤のストライプとなった。また2009年には秩鉄110周
年を記念して旧塗装を施された編成が登場した(共に詳細は下段)
7500系の増備により2014年3月をもって引退した。

■1000系リバイバル塗装(2009年〜2012年)

秩父鉄道は2009年の創立110周年を記念して、歴代通勤車の
塗色を1000系に施し登場させた。5月には1002編成に茶系
のツートンカラー(
1960年〜1988年に見られたもの)を施
した編成が登場、また1007編成に1000系登場時の黄色地に
茶色のストライプ(
1986年〜1993年に見られたもの)を施
した編成も登場した。なお1002編成は2012年5月に、また
黄色地の1007編成は2012年12月に引退している。

■100形(1950年〜1988年)

戦後の車両不足時に国鉄より譲渡された車両で、鋼体こそ鉄製であ
るが車内は木製という半鋼製車である。1000系の投入によって
引退となった。引退後は三峰口駅構内の鉄道公園にて保存されてい
たが、現在は解体されている。