にょほほ電鉄−車両−東武鉄道
東武鉄道は、浅草より鬼怒川・日光や伊勢崎など北関東一円を網羅
する本線系統と、東上鉄道を起源とし池袋から川越を経由し寄居に
至る東上線系統に大別される。この2路線は結ばれていないどころ
か、種別や運用も異なる等、あたかも別会社の様な雰囲気。伊勢崎
線・北千住〜北越谷間の複々線は、私鉄では日本一の長さを誇る。
長年、日光輸送の宿敵であったJR東日本とは現在、直通運転を行
い、スペーシアは新宿からも発着する。

※車両紹介の
は東武本線、は東上線、は野田線車両
駅名標 東武鉄道
駅名標は、関東大手私鉄では珍しく平仮名を大きく配すのが特徴。
ストライプは路線ごとに異なり、スカイツリーライン(浅草〜東武
動物公園)はオレンジ&ブルーのストライプ、日光線はスペーシア
の車体色をイメージしたオレンジ&マルーン、伊勢崎線(東武動物
公園以北)は「りょうもう」をイメージした赤&グレー、野田線は
60000系をイメージしたブルー&グリーンとなる。

和文書体:初期・ゴナ 後期・新ゴ
欧文書体:初期・ゴナ 後期・新ゴ
東上線の駅名標は、永らく東武本線のものとは異なる独自デザイン
であったが、現在は東武本線と同様のデザインに変更された。ただ
ストライプは2色ではなくブルーの単色となる。また当初は、東武
本線と同じく平仮名メインの駅名標であったが、副都心線・東横線
との直通運転を控えた2013年より、漢字メインに改められた。


和文書体:新ゴ
欧文書体:新ゴ(和光市駅有楽町線側のみFrutiger)

注意喚起用ドアステッカーは、過去には阪急と同型のものが使用さ
れていたが、現在は色調は同様ながらも横長のデザインとなる。車
外側ステッカーは駆け込み乗車を禁止する内容となる。
※矢印を画像にかざすと車外側ステッカーの画像へ。

N100系(2023年)

100系の老朽化に伴い登場した最新型特急電車で「スペーシアX」
の愛称を持つ。外装色は日光東照宮陽明門の胡粉をイメージした白
色をベースとし、先頭車両側面の窓枠は、沿線の伝統工芸品をイメ
ージした六角形となる。1号車「コックピットラウンジ」はソファ
型座席や展望型座席を装備、クラフトビールやコーヒーを提供する
カフェカウンターがある。また6号車は個室となる。2023年7
月より営業運転を開始した。
500系(2017年)

「様々な運行形態で運用可能な特急列車」をコンセプトとした特急
型車両で「Revaty」の愛称を持つ。1編成3両で併結・分割
を可能とした仕様となる。奥山清行氏の監修によるデザインは内装
に江戸の伝統色「江戸紫」をあしらうなど沿線の魅力を取り入れる。
また永久磁石同期電動機やアクティブ・サスペンションを搭載し乗
り心地向上を図る。2017年4月より営業運転を開始した。
100系(1990年)

1720系の老朽化に伴い登場した車両で「スペーシア」の愛称を
持つ。室内は銀座東武ホテルを手がけたデザイナーによるデザイン
とされ、座席も外国人観光客に対応すべく大型サイズとした。制御
装置は日本の特急型車両初のVVVFインバータ制御。鉄道友の会
「ブルーリボン賞」を東武では初の受賞、また「グッドデザイン賞」
も受賞する。一時期「東京スカイツリー」のライティングカラーで
ある江戸紫(「雅」編成)、同カラーであるブルー(「粋」編成)
日光をイメージしたオレンジのいずれかに変更されたが、現在は一
部を除き登場時塗色に戻されている。現在は廃車が進む。
100系「日光詣スペーシア」(2015年)

日光東照宮の「四百年式年大祭」を記念して、103編成が、日光
二社一寺の建造物に使用されている荘厳な「金色」重厚な「黒色」
艶やかな「朱色」を配して登場した。また先頭車両側面には「日光
詣」の文字と日光東照宮の「眠り猫」「三猿」を描いたエンブレム
が貼付されている。なお「日光詣スペーシア」は好評につき106
編成も同塗装が施されたが、106編成は1号車の個室の壁紙も金
色となっている。
200系(1991年)

伊勢崎線系統の特急「りょうもう号」に充当される車両。1800
系の老朽化による代替として登場した。200系は、車体は新造で
あるが走行装置には旧特急車である1720系のものを流用してい
る。また250系は完全新造車となり性能は30000系に準ずる。
外観は白地に赤いストライプ、窓周り黒という、インパクトの強い
塗装で、登場当時は100系よりも目立っていた。なお4号車には
乗降扉がない。営業列車では実に珍しい形態である。
6050系(1985年)

会津方面への快速列車として登場した車両。先代快速用車両であっ
た6000系(1964年登場)を、野岩鉄道・会津鉄道への直通
運転対応として、走行装置を流用のうえ、新造車体に乗せ換えて登
場した。ホワイト地にサニーコーラルオレンジとパープルルビーの
ストライプ塗装は、後に100系や東武バスにも採用され、前面の
デザインは10030系や8000系更新車に採用される。当時の
東武車デザインの方向性を築きあげた車両である。2022年3月
をもって定期運用を終了。現在は野岩鉄道所属の同型車両が鬼怒川
線に乗入れるにとどまる。
634型(2012年)

2012年に開業した、東京スカイツリーへのアクセス列車として
6050系を改造のうえ展望列車用途とした車両。外観はホワイト
を基調に空をイメージしたカラーとなる。室内は座席付近を高床式
として眺望を向上、また天窓を設け、室内からスカイツリーが望め
るようになっている。また一部の乗降扉を埋め「サロン」や前面展
望スペースとした。週末に運行される臨時特急列車「スカイツリー
トレイン」に使用される。形式の「634」とは東京スカイツリー
の高さ(634m)にちなんでいる。なおスカイツリートレインは
2017年をもって運用廃止となり、去就が注目される。
70000系(2017年)

東武本線用車両。地下鉄日比谷線乗入れ用車両で、日比谷線の将来
のホームドア導入に伴う20m級大型車両への統一化のため登場し
た。日比谷線13000系とは設計の共通化が図られているが、前
面デザインや内装はオリジナルとなる。ストライプは20000系
がまとうロイヤルマルーンの色を分離した、レッドとブラックのカ
ラーリングとなる。2017年7月に営業運転を開始した。
70090型(2020年)

東武本線用車両。日比谷線直通列車への有料着席サービス導入し際
し対応車両として登場した。東武でのマルチシート車両は東上線用
50090型に次いで2例目となる。2020年3月に営業運転を
開始、また6月6日より開始された「THライナー」に使用される。
60000系(2013年)

野田線用車両。野田線をほぼ独占している8000系の老朽代替の
ため投入された。野田線に新規製造車両が導入されるのは、実に約
70年ぶり。外観は50000系をベースとしながらも、野田線の
ラインカラーであるブルーを基調とした塗装となる。またアクセン
トとして乗降扉脇にグリーンが配される。前照灯や室内照明にはL
EDを採用、また東武初の公衆無線LANサービスを提供する。画
像はデビュー時のものであるが、現在は野田線の愛称名「アーバン
パークライン」のロゴが車体正面と側面に貼付されている。

50000系(2005年)

東上線用車両。東武通勤車では初のアルミ製で、かつ従来の東武車
とは異なる、オレンジ色をあしらった奇抜なデザインを採用。第1
編成は正面非貫通構造であるが、第2編成以降は仕様を50050
型と合わせるべく貫通扉を有する姿となる。
しばらく2編成のみの
存在であったが、池袋〜小川町間のATC導入に伴う車両置換えの
ため、再び増備が開始された。また一部編成は東武本線へ転属され
半蔵門線直通運用に就く。
50050型(2006年)

東武本線用車両。50000系の東武本線バージョンとして登場し
た。地下鉄半蔵門線や東急田園都市線への乗入れに対応する。乗入
れ先の車体限界の関係で、50000系よりも車体幅が若干狭い。
なお、この車両は日本鉄道車両工業会が定めた「標準車両」規格に
適合している。
50070型(2007年)

東上線用車両。50000系の地下鉄有楽町線・副都心線乗入れ対
応版として登場した。地下鉄線のホームドア対策として先頭車の全
長が若干異なる。また当系列では初めて行先表示がフルカラーLE
Dとされた。現在7編成が活躍する。
50090型(2008年)

東上線用車両。2008年のダイヤ改正で登場した座席定員制列車
「TJライナー」用車両として製造された。朝ラッシュ時など通常
の列車にも充当されるため、関東の通勤型車両では初めてロングシ
ート・クロスシートの転換ができるマルチシートを採用。また他の
50000系列との差別化をアピールするため、外観にはブルーの
ストライプが追加されている。なお地下鉄乗入れ運用には充当され
ない。
30000系(1996年)

地下鉄半蔵門線への乗入れ用車両として登場した車両。10両固定
編成ではなく4両編成+6両編成の組成で製造されている。これは
登場当時、東武本線内に10両編成のまま入場できる工場がなかっ
たためと、半蔵門線直通運用の他に支線での運用を考慮したため。
外観は10030型をベースとしながらも側面窓の形状や室内デザ
インに大きな変更がある。後に、半蔵門線直通車両は50050型
に置換えられ、東武線内限定運用に戻された。さらに現在は全編成
が東上線へ転属された。
20400型(2018年)

東武本線用車両。地下鉄日比谷線への乗入れ用車両として登場した
20000系は、同線の車両大型化により余剰となったため、東武
宇都宮線の車両近代化目的で4両編成化・ワンマン運転対応工事を
施され投入された。種車の一部には20050型の5扉車が含まれ
るが、2番目と4番目の扉が埋められ3扉化されている。2018
年より宇都宮線および日光線の南栗橋以北で、2020年からは鬼
怒川線でも運転が開始された。

※20000系列は「懐かしの車両」参照。
10000系(1983年)

8000系の後継車両、また7300系の淘汰を目的として登場し
た車両。有楽町線乗入れ用の9000系に続くステンレス車である。
しかし仕様等は9000系とは異なり、前面形状は増結を考慮した
左右対称形状となる。また制御装置は界磁チョッパ制御となり製造
コスト低減に重点が置かれている。2両編成と6両編成が東武本線
に、8両編成が東上線に投入されたが、東上線の8両編成は後に一
部が10両編成化されている。また東武本線の編成はリニューアル
工事が施された(詳細は後述)
10000系リニューアル車(2007年)

登場から20年以上が経過し、最新鋭車と比較して陳腐化が進んだ
ため、東武本線の6両編成に対し、室内を中心としたリニューアル
工事が行われた。50000系を思わせる、純白の壁紙に紫地の座
席となった。また乗降扉鴨居部にはLED案内表示機が設置された。
外観は、前照灯が青白い光のHIDとなり、行先表示はLED式に
変更、また前面下部には排障板(スカート)が設けられ、印象が変
わった。2010年までに6両編成全編成が施工され、他の編成に
も工事が及んでいる。他方、一部では廃車が進む。
10030型(1988年)

本線系統初のステンレス車である10000系は、1988年製造
車両から、外観を中心に変更が加えられた。日比谷線直通用車両の
20000系に倣いスッキリした印象となり、前面形状も快速用車
両の6050系に近いデザインとなった。また台車や補助電源装置
等にも変更が加えられている。なおこの車両にVVVFインバータ
制御を搭載した試作車として10080型が存在する。
10030型リニューアル車(2011年)

10000系6両編成のリニューアル工事完了後は、10030型
へと工事が波及した。10000系での施工内容に加え、前照灯と
尾灯の左右入れ替え、車内乗降扉鴨居部へのLCD式案内表示機の
設置が行われている。
10030型・野田線用(2013年)

野田線の車両近代化に伴い、新型車両導入と平行して10030型
の野田線への転属が開始された。その際、従来はロイヤルマルーン
であったストライプ色を、フューチャーブルーとブライトグリーン
に変更された。今後も転属が行われる予定である。

※矢印を画像にかざすとリニューアル車11631編成の画像へ。

9000系(1981年)

東上線用車両。東武初のステンレス製車両で、かつ東武初の10両
固定編成となる。地下鉄有楽町線への直通用車両として登場した。
多くの新機軸が採用されたため、実際に直通運用に就く6年も前に
試作編成が完成し、各試験を行い直通運転に備えた。当時クリーム
色の単色塗装であった通勤型車両の中で、当時の優等列車をイメー
ジしたマルーンのストライプは異彩を放った。制御装置はチョッパ
制御を採用。現在は副都心線直通対応工事を施され(試作編成を除
く)有楽町線・副都心線に乗り入れる。

9050型(1994年)

東上線用車両。東武初のステンレス車両である9000系は地下鉄
有楽町新線(現・副都心線)開業に伴い追加製造されたが、側面の
コルゲート(波状加工)が、10030型や20000系と同様の
ビードプレス加工となりスッキリした外観となった。また制御装置
はVVVFインバータ制御、内装は20050型と同等となる。現
在は副都心線乗入れ対応工事が施され、行先表示機のフルカラーL
ED化や前照灯のHID化が行われている。
8000系(1963年)

沿線人口の急増に対応すべく、大量に製造された車両。20年間に
わたり実に700両以上も製造された。登場当時は前面窓の小さい
デザインであったが(詳細は「懐かしの車両」参照)車体更新時に
6050系を模した前面の外観へ変更された。また近年改造の車両
は、行先表示をLED式に、また前照灯にHIDを採用する(
矢印
を画像にかざすと後期改造車の画像へ
)現在は廃車が進み、東武本
線や東上線の都心寄りからは撤退したが、支線や野田線では多くの
車両が活躍する。

8000系ワンマン運転改造車(2003年)

大師線、小泉線、また翌年の亀戸線のワンマン運転開始に伴い、所
属編成に該当工事が施された。2016年3月、8577編成に昭
和30年代の塗装であったインターナショナルオレンジ地にイエロ
ー帯の塗装が施された。翌2017年2月には8568編成が、昭
和30年代に新塗装案として試験塗装されたグリーン地にホワイト
帯の塗装を、さらに2017年7月には8575編成が、同新塗装
案として試験塗装されたイエロー地にオレンジ帯の塗装を施された。

8000系ワンマン運転改造車(2005年)

東上線小川町〜寄居間および2008年の越生線のワンマン運転開
始に伴い、所属編成に該当工事が施された。画像の81107編成
は2014年11月に登場時の塗色であったロイヤルベージュにイ
ンターナショナルオレンジの塗色とされた。また81111編成は
2014年3月にセイジクリーム一色とされている。
800型・850型(2005年)

支線の旧型車両を淘汰するため、代替車両として8000系を投入
する事となるが、支線のワンマン運転に対応すべく、ワンマン対応
工事を施され、かつ3両編成とされた。この車両を、800型と称
する。改造元の車両の連結位置で800型(浅草寄り)と850型
(伊勢崎寄り)とに分類されるが性能は同じである。
※画像は支線配属前に伊勢崎線で暫定的に運転された時の模様。

200系「普悠瑪」塗装車(2016年〜2018年)

台湾鉄路管理局との友好鉄道協定締結を記念して、台鉄の看板列車
である自強号「普悠瑪(プユマ)」TEMU2000形と同等の塗
装を施された編成が登場した。先頭車両側面にはRyomoの筆記
体文字が大胆に描かれているが、これは「普悠瑪」のTRA(台鉄
の略称)の筆記体ロゴをアレンジしたものである。2018年の全
般検査の際に、元の塗装に戻された。
■1720系(1960年〜1991年)

国際的観光地・日光への輸送を国鉄と争っていた時代、国鉄への対
抗手段として登場した車両。外国人観光客に配慮してリクライニン
グシートやビュッフェ、洋式トイレを設置。またジュークボックス
付きのサロンルームは人気を博した。日本の鉄道車両では初めて貫
通扉を自動ドアとしたのもこの車両である。しかし車内設備の陳腐
化が目立ち、100系登場と共に廃車となった。現在は東向島駅前
の東武博物館にて先頭部が保存されている。
■1800系(1969年〜2018年)

伊勢崎線急行の車両専用化の際に登場した車両。赤い車体にアイボ
リーのストライプは、当時は地味な塗色の多かった東武においてイ
ンパクトを与えた。車内設備は、鉄道車両初の清涼飲料水の自動販
売機が設けられた。伊勢崎線急行(当時・現在は特急)「りょうも
う」で活躍したが、1998年をもって後継車両の200系と置き
換えられた。一部は300系・350系に改造された他、通勤車両
へ格下げされた後に廃車となった編成も存在する中、最終増備車で
ある1819編成が臨時列車用途として残存、運転日には多くのフ
ァンに注目された。老朽化により2018年をもって引退した。
300系(1991年〜2022年)

伊勢崎線・日光線で快速急行に使用された6050系が、野岩鉄道
開業で車両不足となったため、また快速急行車両のグレードアップ
のため、余剰となっていた1800系を改造し、両線の急行用車両
として導入した。6両編成が300型、4両編成が350型となる。
塗装はスペーシア100系に準拠した塗色となる。500系登場後
は定期運用を失い、臨時列車として使用されたが、2022年7月
をもって引退した。
50090型「池袋・川越アートトレイン」
                 (2019年〜2022年)

東上線用車両。沿線の代表的な観光地である川越への利便性を高め
るため、観光に便利な時間帯を中心に特急料金不要の新種別「川越
特急」を設定したが、そのPRとして51092編成にラッピング
を施した。デザインは若手画家・古家野雄紀氏によるもので、川越
の四季や魅力ある風景が表現されている。2019年2月に登場し
2022年9月まで運行された。
20000系(1987年〜2020年)

東武本線用車両。地下鉄日比谷線乗入れ用車両として登場した。乗
り入れ車両の先代である2000系は非冷房車であり、乗客からは
不評であったため、老朽化に伴う後継車両として登場。左右非対称
の前面形状は、野暮ったいデザインの多かった東武通勤車において
スマートな印象を与えた。日比谷線の車両大型化に伴い2020年
をもって撤退、現在は短編成化のうえ東武宇都宮線用途となり車番
も20400型へと改番された。
20050型(1992年〜2020年)

東武本線用車両。日比谷線直通用車両として登場した20000系
は、日比谷線内の混雑に対応するため、日比谷線03系5扉車に倣
って前後2両の乗降扉を5扉とした車両を登場させた。制御装置は
VVVFインバータ制御となり、また車内には液晶モニタによる案
内表示機や、ドアチャイムが設置された。日比谷線の車両大型化に
伴い2020年をもって撤退、現在は短編成化のうえ東武宇都宮線
用途となり車番も20400型へと改番された。
※矢印を画像にかざすと5扉部分の画像へ。
20070型(1997年〜2018年)

東武本線用車両。日比谷線直通用車両で、列車増発に伴い登場した。
20050型と同様の性能としながらも乗降扉が3扉に戻されてい
る。また前年に登場した30000系の設計思想を反映し、パンタ
グラフのシングルアーム化やLED式案内表示機の設置が行われた。
3編成のみの在籍となる。日比谷線の車両大型化に伴い2018年
をもって撤退、現在は短編成化のうえ東武宇都宮線用途となり車番
も20400型へと改番された。
■8000系(1963年〜)

現在も東武の主力として活躍する8000系は、登場当初は画像の
ような外観で、塗色もロイヤルベージュにインターナショナルオレ
ンジであった。1974年頃からはセイジクリーム1色という簡素
な塗装に変更、1985年頃からは現在のホワイト地に濃淡ブルー
のストライプとなった。1987年の車体修繕より6050系に準
じた前面形状に変更、また並行して廃車が進んだ事により、初期型
車両は2011年をもって消滅した。現在は8111編成が、東武
博物館の所有となり、登場当時の塗色で動態保存される。
※現在は塗装がセイジクリームへと変更されています。
■1800系・一般車改造(2001年〜2006年)

1969年登場の急行型車両の1800系は200系登場後、一部
車両が300系へ改造された他は休車となっていたが、群馬県内の
支線に残る旧型車を置換えるため、一般車改造を施された。外観は
8000系と同じ塗装となり、正面にはLED式の行先表示機を設
置。室内は急行車時代の姿をとどめている。ただ、そもそも通勤運
用に向かない車体構造であり、2006年をもって引退した。
■5000系(1980年〜2006年)

1953年に登場した7800系は、老朽化に伴って車体を新たに
8000系と同等の車体に乗せ換えた。この車両は5000系を名
乗る。画像は、ブレーキ系統に改良を施した車両で、5050系と
称した。走行装置は種車のままで、関東大手私鉄で最後まで残った
吊り掛け駆動車両。唸るような走行音と振動は年代を感じさせたが
老朽化のため2006年をもって引退した。
■7300系(1946年〜1984年)

太平洋戦争後、被災による車両不足を補うため運輸省から国鉄63
形と同型車を供給、この車両を7300系とした。導入の際に路線
の改良等が伴ったが、結果的に大型車両導入が可能になり、東武は
以後7800系より大型車の導入を進めた。1959年に7800
系と同等の新造車体へと乗せ換え、活躍したが、老朽化に伴い引退
した。なお、モハ7329号が東武動物公園にて保存されていたが
現在は解体されている。