にょほほ電鉄 - 街 - 大谷田南公園
大谷田南公園は、足立区中川に存在する児童遊園である。常設施設
としてゴーカートを使用した交通公園や、多目的広場、また夏季に
は水遊び場「じゃぶじゃぶ池」も開場するが、何と言ってもミニ鉄
道が常設されているのが人気の理由である(運行は休日のみ)ミニ
列車が常設される公園は、都区内では足立・葛飾区に集中しており
この項では大人もワクワクするミニ列車を備えた公園を紹介する。

■大谷田南公園

JR常磐線亀有駅から環七通りを加平方面に歩くこと10分、右手
に見える「肉の万世」の奥手に大谷田南公園は存在する。足立区の
児童公園であり、ゴーカートによる交通公園や、夏季には水遊び施
設「じゃぶじゃぶ池」で楽しむ事もできるが、休日の主役はミニ列
車である。なお16台分の駐車場も完備しているが、亀有駅から徒
歩圏である事や、都営バスおよび東武バス「中川四丁目」バス停か
らすぐのため、公共交通機関の利用が望ましい。
■大谷田南公園駅

環七通り側の入口を入ると、すぐにミニ列車の踏切が現れる。踏切
を渡ると、ミニ列車乗り場へと辿り着く。乗り場には「大谷田南公
園駅」の駅名標が掲げられている。なお切符は公園管理棟(画像左
端の建物)に設置された自動券売機で購入する。

■大谷田南公園駅の駅名標と時刻表

駅舎には時刻表が掲げられているが、驚くべき事はその運転頻度。
20分に1本という、区立の児童公園の遊戯施設としてはかなりの
高頻度運転となる。ただし12時台は運転休止となるが、これは職
員さんの休憩のほか、児童に「お昼ご飯を食べてらっしゃい」と促
す効果もあるらしいとか。なお最終列車は季節によって異なる。
■ミニ列車

ミニ列車は主に、新幹線型の動力車を先頭に6両の客車を連結した
7両編成で運行される。動力車は東海道新幹線300系をモチーフ
としたものであるが完成度は高い。また客車の台車も貨車を思わせ
るアーチバーふうの台車となり、細部にこだわりを見せる。
※矢印を画像にかざすと客車台車の画像に。
■大谷田南公園駅を出発する

実際に乗車し園内を一周する。駅を出発すると早速、環七側南寄り
の入口と交差する踏切を通過する。画像左側にはこんもりした丘が
見えるが、内部は交通公園のゴーカート利用受付となる。
■園内を快走するミニ列車

丘を越えた先は、ローカル鉄道を思わせる、緑の風景となる。線路
は緩やかなカーブを交えながらも直線の多い区間となり、線路の継
ぎ目を走行する際の「カタンカタン」という音が心地良い。木々の
中を抜けると、左に大きくカーブし踏切に差し掛かる。
■東側の門付近の踏切

園内には合計4箇所の踏切があり、画像は中川側東寄りの入口との
交差部。画像中央の時計台は「震災対策用応急給水施設」である。
なお踏切の遮断機の開閉は、踏切手前の線路部に列車検知装置が設
置されており、列車が通過すると遮断機に信号が送信される仕組み
となる、本格的なものである。
※画像を矢印にかざすと踏切用列車検知装置の画像に。
■多目的広場を外周する線路

画像では判りづらいが、線路は多目的広場を外周する。この多目的
広場は雨水の貯留・浸透施設となっていて、大雨時に公園の雨水が
近隣に流れ込むのを防ぐようになっている。多目的広場が線路より
も一段下がっているのは、そのため。
■北側の門付近の踏切

3箇所目の踏切。中川側北寄り入口との交差部に設けられる。ここ
を越えると列車は再び木々の中を走る。

■緑のトンネルを抜ける

多目的広場を離れ、交通公園へと向かう途中に緑のトンネルがある。
撮影時は早春のため緑も疎らであるが、盛夏時にはもっさりとした
文字通り、緑のトンネルとなる。トンネルを潜る時、子供たちの歓
声が上がる、クライマックス・スポットである。
■ミニ列車の車庫をかすめる

トンネルを越えると、ミニ列車の機関庫が現れる。この機関庫もま
た本格的な造りの頑丈な建物。遊園地ですらビニールハウス然とし
た車庫が多い中、実に立派である。なお機関庫脇の本線線路部分に
踏切用列車検知装置が見える。
■本線と車庫線の合流部

機関庫から出てきた線路は、4箇所目の踏切の手前で本線と合流す
る。この踏切は環七側西寄り入口との交差部に設けられている。こ
の踏切を越えた先には駅が現れ、園内一周の旅も終着となる。
■出番を待つミニ列車

ミニ列車の運航日は毎週土曜日・日曜日・祝日および10月1日の
都民の日に運行される。運賃は中学生以上が70円、小学生が30
円、未就学児は無料となる。なお都区内には、他にも足立区の北鹿
浜公園、葛飾区の新宿(にいじゅく)交通公園、世田谷区の世田谷
公園でもミニ列車が走る。