にょほほ電鉄 - 路線 - 日本貨物鉄道北王子支線跡・・・
北王子支線は、東京都北区の田端信号場駅より北上して京浜東北線
と並走、王子から分岐して北王子駅を結んでいた貨物支線。正式名
称は東北本線貨物支線である。歴史は古く大正末期に王子製紙(初
代。現在は再編により日本製紙となる)の専用線として開業。昭和
に入り付近に弾薬庫が設置された関係で国有化された経緯がある。
晩年は1日3往復の紙製品輸送に従事してきたが、日本製紙の物流
変更により2014年3月をもって営業終了した。この項では北王
子支線を、王子から北王子までの区間を紹介する。
※訪問日:2014年4月。現在は一部施設が解体されています。

■JR王子駅

東北本線の駅。京浜東北線のみ停車する駅であるが、付近は北区役
所をはじめとする北区の行政の中心部であり、また東京メトロ南北
線、都電荒川線も乗り入れることから、駅前の規模は大きい。画像
は京浜東北線ホームであるが、車両の右端に電化されていない線路
が見える。これが北王子支線である。北王子支線は田端信号場より
東北本線と、王子〜東十条間の分岐部まで並走する。
■東北本線との分岐部

北王子支線は、王子付近を過ぎると、線路を東北新幹線の高架下へ
と移す。そして東十条駅を遠くに望める付近より、東北本線から離
てゆく。
■第一宮江町踏切付近

東北本線より分岐した北王子支線は、都道455号線支線の陸橋を
くぐり、民家が密集する区域を走る。画像は陸橋より撮影。
■第二宮江町踏切

分岐部から数えて二ケ所目の踏切。この先の第一北王子踏切との間
には公園敷地となっている三角州があるが(画像右側)ここから貨
物支線であった須賀線が分岐していた。須賀線は、付近の化学工場
への原料・製品輸送を目的として敷設された専用線であったが、付
近に陸軍の弾薬庫が設置されたため弾薬輸送も兼ねるようになった。
弾薬への引火を避ける目的から須賀線は電化されている。最盛期に
は須賀線のみで5往復の貨物列車が設定されていたが、各工場の移
転に伴い1971年3月をもって廃止となった。なお廃線跡は現在
道路となり、終点の須賀駅は豊島五丁目団地となった。
※矢印を画像にかざすと須賀線跡のカーブの画像へ。
■第一北王子踏切

須賀線と分岐した先にあった踏切。訪問時は廃止前であったが貨物
列車の運行は終了したため、線路は封鎖されている。正面に見える
建物は日本製紙物流の北王子倉庫で、北王子駅と直結していた。壁
面に描かれた大きな木が特徴であったが、現在は解体された。なお
2015年夏には画像左側の工事用地にマンションが建設され、一
部のレールが撤去されてしまった。
※画像は2014年4月のもの。
※矢印を画像にかざすと2015年夏の画像へ。
■第二北王子踏切

北王子支線の最後の踏切。踏切の先は北王子駅構内。線路には鉄製
の門扉があり、貨物列車通過時以外は閉鎖されていた。また門扉付
近の線路には金属製の枕木が使用されている。
※矢印を画像にかざすと金属製枕木の画像へ。
■北王子駅

日本製紙物流北王子倉庫の西端に位置した貨物駅。JR東十条駅と
東京メトロ王子神谷駅の中間に立地する。構内は側線が4線と、倉
庫に隣接する貨物ホーム用の荷役線1線があった。宮城県の石巻港
駅や岩沼駅からの紙製品輸送の貨物列車が1日4本到着していた。

■北王子駅の桜と小型機関車

駅構内の貨物列車の入替え作業には、日本通運の小型機関車が使用
されていたが、もう貨物列車の発着する事のない駅構内には、その
小型機関車が存置されていた。駅構内には桜が植樹されており、満
開の桜が長年の労をねぎらっているかのようである。

北王子支線は2014年3月14日の最終列車をもって貨物列車の
運行を終了した。他の需要も見込めないため2014年7月をもっ
て廃止となった。