にょほほ電鉄 - 路線 - 都市高速鉄道8号線・・・
旧・運輸省内に設置された「運輸政策審議会」は、総合的輸送体系
の樹立のための計画を策定し、関係大臣に建議する使命を持つ。そ
の運政審による答申のうち、1968年の答申で「練馬〜池袋〜有
楽町〜明石町(新富町)へ至る路線」と明記されていた東京8号線
は、1972年の答申では「終点側は明石町〜湾岸(新木場)およ
び豊洲〜住吉〜押上〜亀有」が追加された。後に8号線は有楽町線
として開業したが、豊洲〜住吉間と押上〜亀有間は未だ建設されて
いない(住吉〜押上は11号線と併用。後に半蔵門線として開業)
しかし東京五輪決定によって豊洲側は俄かに現実味を帯びてきた。
この項では東京8号線構想を反映して建設された施設を紹介する。

■東京地下鉄・豊洲駅

東京都江東区内にある有楽町線の駅。豊洲は、その昔は工業地帯で
貨物線も走っていたが、大規模開発によって高層マンションや商業
施設が密集する街となった。駅構造は島式ホーム2面4線となるが
列車の発着は外側2線が使用され、中側2線は開業以来、2013
年まで使用されることがなかった(2013年春に線路が敷設され
当駅止まりの列車が使用を開始した)この中側2線こそが、東京8
号線が開通した際の、亀有方面行きホームとなる。
■豊洲駅の辰巳側を望む

豊洲駅の辰巳側は、新木場行きホームと和光市行きホームに段差が
生じており、新木場行きホームがやや低くなっている。これは東京
8号線のトンネルが豊洲発車直後に亀有方面へ向かうべく左に急カ
ーブし、新木場行きトンネルを越えるため。交差地点まで距離が短
いため駅構内から段差が生じている。
※矢印を画像にかざすと和光市行きホームから眺めた画像へ。
■亀有方面へ向かうトンネル

上記の画像をさらにトンネル側に寄って撮影。画像奥側でトンネル
が左にカーブしているのが分かる。江東区サイトの延伸促進ページ
によれば、路線はこの先「豊洲〜新駅1〜東陽町〜新駅2〜住吉」
と経由する予定となる。新駅1は三ツ目通りとの交差部(枝川付近)
が、新駅2は四ツ目通り下の江東区千田付近が予想される。
※矢印を画像にかざすと和光市行きホームから眺めた画像へ。

■東京地下鉄・住吉駅

東京都江東区内にある半蔵門線の駅。住吉は、標高が海面よりも低
い「江東ゼロメートル地帯」の中心にある。付近には「川のエレベ
ーター」とも言われる扇橋閘門が設置される。駅構造は島式ホーム
2面4線であるが、押上行きホームと渋谷行きホームが上下2段構
造になる(画像は下段にあたる押上行きホーム)また上下各ホーム
の片側は柵が施されて留置線として使用される。画像左側が本線で
右側が留置線。
■住吉駅留置線より南側を望む

住吉駅の留置線ホーム。このホームが、東京8号線が開通した際の
豊洲方面行きホームとなる(画像は押上行きホームのため、豊洲か
らの列車が到着する)先述の通り、住吉駅は上下2段構造であるが
これは東京8号線が合流する線路構造のため。地上の道路が狭いた
めに、上下2段となった。
■豊洲方面へ向かうトンネル

上記の画像をさらにトンネル側に寄って撮影。画像左側が豊洲方面
からのトンネル予定地、画像右側が半蔵門線の(清澄白河方面から
の)トンネルである。

■東京地下鉄・押上(スカイツリー前)駅

東京都墨田区内にある半蔵門線の駅。押上は、大正時代の1932
年に京成線の都心側終点として開業したが、当時の繁華街であった
浅草乗り入れが実現せず、代案として上野乗り入れが実現してしば
らくは盲腸線となっていた。しかし都営浅草線の開業により都心直
通が実現、また21世紀になってからは半蔵門線が開業し、東武と
の直通運転が開始された。現在は、東京スカイツリーがそびえ立つ
都内屈指の観光地となる。
■押上駅の曳舟側を望む

押上駅は島式ホーム2面4線構造となる。外側2線は東武との直通
列車が使用し、中側2線は当駅止まりの列車が使用する。奥に見え
るトンネルは、現在は留置線として使用されるが、将来は東京8号
線が開通した際の、亀有方面行きトンネルとなる。渋谷行きホーム
の曳舟側は、ホーム中央に柵が施され、わずかに段差が生じている
のが確認できるが、これは東京8号線のトンネルが押上発車直後に
亀有方面へ向かうべく右に急カーブし、東武直通渋谷行きトンネル
を潜るため。交差地点まで距離が短いため、駅構内から段差が生じ
ている。
■亀有方面へ向かうトンネル

上記の画像をさらにトンネル側に寄って撮影。答申ではこの先、亀
有方面へ向かう計画となる。しかし江東区内とは違い「構想」に留
まり、計画は具体化されていない。もっとも曳舟から亀有方面へは
曳舟川跡(曳舟川通りおよび曳舟川親水公園)がほぼ直線に結んで
おり、この下を通せば良いのでは・・・とは作者の妄想である。

東京8号線のうち豊洲〜住吉間は、2020年東京五輪決定により
建設が具体化してきた。ただし東京メトロの所有とはならず江東区
による第3セクターとなる予定。2015年の着工を目指す。