■博物館動物園駅(京成電鉄・現在廃止)

1997年まで営業していた京成の駅。上野公園敷地内にある地下
駅で、動物園の正門や東京芸大が近い。しかしホーム長が4両編成
にしか対応できず、各駅停車でも6両編成は通過。さらに夕方以降
は利用客が皆無となるため全列車が通過してしまう。元々利用客が
極端に少ないことや施設の老朽化も著しいため廃止となった。なお
駅舎は非常に立派なもので、列車の止まる事なき現在も上野の杜に
鎮座している。
■本郷三丁目駅(東京地下鉄)

丸ノ内線の開業当時から存在する駅。ホームは地下だが駅舎は地上
に立地。地下鉄の駅は幹線道路上に存在する事が多いが、この駅は
線路が春日通りを離れ本郷通りに差し掛かる途上にあり、両道が交
わる交差点から離れた住宅地の真ん中に突如登場する。写真側入口
は向かい側が小学校、反対側の入口はビルに挟まれた路地となり私
鉄の小駅の様な雰囲気。開業時は無骨な鉄筋コンクリートの暗い駅
であったが、改築により開放的な駅となった。
■旭ヶ丘駅(仙台市交通局)

仙台市内を南北に走る市営地下鉄の駅。旭ヶ丘バスターミナルの地
下に立地し、バスとの乗り継ぎ指定駅となる。駅の西側はV字谷と
なり地下鉄の線路面と同じ高さとなるため、地下鉄の駅ながら泉中
央行きホームからは台原森林公園が見えるという、実に珍しい構造
となっている。この珍しい構造から「東北の駅百選」に指定された。
■三ノ輪橋電停(東京都交通局)

東京に唯一残る路面電車・都電の起点。下町の袋小路に迷い込んだ
ような雰囲気の、この停留所、構内は狭いが、小さな花壇付近では
住民が日向ぼっこをしたりと、風情がある。日比谷線三ノ輪駅とは
至近距離であるが日比谷線駅との連絡通路(というか路地)の途中
には都電の前身・王子電気軌道が所有していたビルが未だに存在す
る。現在は昭和30年代を思わせる雰囲気の停留所へと改装が行わ
れている。
■三ツ沢上町駅/三ツ沢下町駅(横浜市交通局)

ドーム状のトンネル天井が特徴のこの2駅はオーストリアで提唱さ
れたトンネル掘削工法であるNATMを地下鉄駅で初めて用いた。
楕円形状の断面にトンネルを掘削した直後にコンクリートを吹付け
ボルトで固定する工法で、主に山岳地帯で用いられる工法であるが
最近では軟弱地盤や都市部でも採用されている。なお、この2駅は
土木学会より技術賞を受賞している(写真は三ツ沢下町駅)
※現在はホームドア設置のため画像とは異なります。
■鎌ヶ谷大仏駅(新京成電鉄)

新京成線の駅。他路線との接続はないが船橋新京成バスの営業所を
併設しており乗降客数は多い。駅名の由来である大仏様は1776
年に建立された由緒あるものであるが、高さ約2m弱で、非常に小
さい。過去に新京成はこの駅まで開業した際、大仏様を観光名所と
してアピールするも、あまりの小ささに電鉄に苦情が寄せられたと
いうトホホな話もある。
※画像に矢印を近づけると大仏様の写真に。
■東雲駅(東京臨海高速鉄道)

りんかい線の地上駅。都区内の駅では珍しい難読駅で「しののめ」
と読む。臨海副都心に隣接した地域で、以前は倉庫等の多い場所で
あったが近年は高層マンションが林立する。府中競馬正門前駅でも
記述のとおり、当駅もCM登場率が高い。対向式ホームである事か
ら、向かいのホームから列車待ちをする人物を写すシーンなどが多
い。よって逆に列車が殆ど出てこない。
■新鎌ヶ谷駅(北総鉄道・新京成電鉄・東武鉄道)

千葉県鎌ヶ谷市内に立地する駅。3路線の交わる交通の要所である
が、駅周辺は市役所と商業施設があるのみで閑散としており畑すら
広がる。1955年には既にこの場所で東武と新京成が交差してい
たが、駅は設置されず最初に駅を設置したのは後から開業した北総
である。しかしそれでも他の2路線には駅が設置されず、市の費用
負担で渋々設置したという経緯がある。
■芝山千代田駅(芝山鉄道)

京成線の東成田駅から、空港近隣の芝山町を結ぶ芝山鉄道の唯一の
駅。1番ホームだけの小さな駅で、自動改札こそあれどPASMO
は利用できず、駅前も閑散としている。だがこの駅の魅力は眼下に
空港の整備場が広がり、旅客機を目の前で眺められる事である。
■市役所前駅/権堂駅/善光寺下駅(長野電鉄)

長野電鉄の長野〜善光寺下間は1981年に市内の交通整備に伴い
地下化された。地上線の跡地は長野大通りとなり中心部の交通事情
は飛躍的に向上した。地下化されたこの区間は、政令指定都市以外
の地方都市では稀有な存在で完成当初は「信州初の地下鉄」と話題
に。なお、駅構内は暗く、元日比谷線車両の3000系が到着する
と、開業時の日比谷線の風景がリアルに再現されるのが興味深い。
※画像に矢印を近づけると駅構内の写真に。
■幸谷駅(流鉄)

流鉄で最多乗降客数を誇る駅。JR新松戸駅の真向かいに立地する
ためであるが、駅前のビルに隠れているため、地元住民以外、なか
なか見つけにくい駅である。駅の直上は流鉄直営のマンションとな
っており、住人は雨に濡れずに電車に乗る事が出来る。なお当駅の
住所は松戸市新松戸となるが、対してJR新松戸駅は松戸市幸谷と
なり、それぞれ駅名と住所が逆転しているのが興味深い。
■白丸駅(東日本旅客鉄道)

東京・奥多摩に立地する青梅線の駅。山あいのトンネルに挟まれた
非常に小さな無人駅で、都内の駅では最も乗降客数が少ない。小屋
と言っても差し支えない駅舎と簡素な待合室を備える。改札は簡易
Suicaがあるのみである。ホーム上には近隣民家の玄関があり
都電の停留所と見まがう雰囲気。何よりこのホームに、都心部を走
る中央線と同じ車両が現れる事に違和感を感じ得ない。
■東鷲宮駅(東日本旅客鉄道)

埼玉県内にある宇都宮線の駅。下り線は地平駅であるが上り線は高
架駅と、特殊な構造をしている。これは駅東側に設置された貨物駅
からの連絡線と旅客線の合流地点を立体交差としたため、交差する
上り線のみ高架となった(写真左上が上り線ホーム)しかし貨物駅
は早々に廃止となり、跡地整備により団地群となるが、現在でもこ
の構造が残っている。なお、余談であるが、駅名は「わしのみや」
であるが行政名は「わしみや」となる。
■安中榛名駅(東日本旅客鉄道)

群馬県内に立地する長野新幹線の駅。JRによる住宅地開発の最寄
り駅として開業したが、駅前は閑散としており、あたかも「高原の
小駅」と言った雰囲気。しかも長野方面行きホームの端は崖で、元
々が山を切り開いて建てられた駅である事をうかがわせる。その立
地ゆえ新幹線駅ながら「秘境駅」と紹介された事も。なお朝夕こそ
ある程度の列車が停車するが、日中は2時間に1本しか停車しない。
■隅田川駅(日本貨物鉄道)

おそらくこの駅名を聞いた事のない方が殆どであろうが、一般的に
「駅」と称する旅客駅に対して貨物の取り扱いを行うのが貨物駅。
この隅田川駅はJR南千住駅に隣接し、東北方面への貨物の拠点と
なっている。JR貨物内でも年間収入2位を誇る。最盛期は南千住
汐入地区の殆どを占める面積であったが鉄道貨物の衰退により一部
の土地は南千住西地区再開発に充てられた。後方の高層マンション
は再開発事業で建てられたもの。
■汐見橋駅(南海電気鉄道)

高野線の始発駅。もっともこの駅には高野山行き列車は来ず、短い
列車が30分毎に来るのみ。元々「道頓堀駅」として開業したこの
駅を起点とした当時の高野鉄道は1915年に南海に乗り入れ、利
便性の高いなんばから発着するようになる。南海合併後は全列車が
なんば始発となり、汐見橋駅は一支線の駅へと降格。以来、時が止
まったかの様な雰囲気で、現駅舎完成当時の路線図も未だに掲げら
れている。利用客も少なく都会の駅とは思えない。
■梅田駅(阪急電鉄)

阪急電鉄の始発駅。10面9線という規模は、JRを除く私鉄では
日本一の規模。開業当初は阪急百貨店付近に設置された地上駅だっ
たが一旦は高架化、そしてJR大阪環状線の高架化に支障となる事
から再び地上駅となりさらに駅拡張に伴い北寄りに移設のうえ再び
高架化と紆余曲折を経ている。阪急では唯一各路線ごとに発車メロ
ディが用意されているが、終電間近になると「♪第三の男」が流れ
るのが他の鉄道では見られない特徴。
■武庫川駅(阪神電気鉄道)

本線の急行停車駅。また武庫川線の始発駅でもある。本線ホームは
河川の直上に立地するという実に珍しい構造となり、しかもホーム
壁は金網のみであるため、ややスリルがある。駅改札は東西で行政
が異なり、東口は尼崎市で西口は西宮市となる。なお武庫川線ホー
ムは西宮市側の地平に存在する。
■春日野道駅(阪神電気鉄道・旧ホーム)

元々地上駅であったこの駅は、1933年の地下化の際に一旦は廃
止されたが、住民からの反対運動により急遽復活した。しかし既に
トンネルは完成していたため、最低限の工事により、写真のような
極端に狭い駅となった。幅2.6mで電車の幅より狭い。しかし近
隣に商業施設が誕生し、このホームでは対応しきれず、2004年
に立派な新ホームが完成した。なお旧ホームは現在でも新ホームか
ら見る事ができる
※画像は2002年撮影のもの