にょほほ電鉄 - 駅 - 銚子電鉄線各駅・・・
関東の最東端・銚子をトコトコ走る銚子電鉄は、バブル期に県内の
建設業・内野屋工務店の傘下となり親会社主導で駅舎の改築が行わ
れた。改築された駅舎は周囲の街並みと異にする欧風の佇まい。し
かし内野屋工務店は後に破産、親会社と兼任であった当時の社長も
横領容疑で逮捕され多額の借金だけが電鉄に圧し掛かった。そして
現在、一部の欧風駅舎は夢の跡のような無残な姿をさらしている。
この項では銚子電鉄の欧風駅舎や、また人気の高い木造駅舎も織り
交ぜ紹介する。

■銚子駅

銚子電鉄の始発駅。JRの2・3番線ホームの突端に銚子電鉄の切
欠ホームある。かつて国鉄との貨物輸送や、直通臨時列車があった
ための名残である。ただし駅舎内に中間改札はなく、切符売場も跨
線橋を渡った反対側のJR駅舎内にありやや不便。そのため銚子電
鉄ホームで係員から切符を買う事も出来る。銚子電鉄駅舎はオラン
ダの風車小屋をイメージしたもの。しかし肝心の風車は破損のため
現在は撤去されている。

■仲ノ町駅

銚子を出発した列車が最初に停車する駅。構内は車庫が併設されて
おり、所属車両やミニサイズの電気機関車・デキ3号を見学する事
が出来る(要入場券)小ぢんまりとした木造駅舎には本社が入居し
ており、銚子電鉄名物「ぬれ煎餅」の発送業務はここで行われる。
そのため駅構内には発送用のダンボールが野積みされている。なお
ヤマサ醤油の銚子工場は駅南側に隣接しており、過去には当駅から
専用線が敷設されていた。

■観音駅

銚子の住宅街に位置する駅。駅名の観音とは付近に立地する円福寺
に建立された飯沼観音の事を指す。スイスの登山鉄道駅をイメージ
した駅舎の構内には電鉄直営の「たい焼き屋」が併設されている。
たい焼き屋は1976年から営業の歴史ある店舗である。画像右端
の駅名板は、駅名より「たい焼き」の文字が目立つのはご愛嬌。

■本銚子駅

銚子市街の東端に位置する駅。小さな山林の切り通しに立地する駅
のため、他の駅とは雰囲気を異にし、小さな駅舎と相まってタイム
スリップした感覚にとらわれる。駅の上側に小学校があり、以前は
通学時間帯のみ駅員が配置されていたが、現在は完全無人化されて
いる。画像奥にある跨線橋(清愛橋)は銚子電鉄の撮影ポイントと
して有名。余談であるが、駅舎は一時期、老朽化で廃墟と化してい
たが、2017年に番組の企画として、タレントのヒロミ氏により
リニューアルされた。

■君ヶ浜駅

銚子市街を後にし、山林を越えた列車は海岸目指し走る。そして海
岸線が近づいた君ヶ浜地区に位置する駅。駅入口にはイタリア風の
白亜のアーチが鎮座し、構内には椰子の木?も植樹され、周囲のひ
なびた街並みとは雰囲気を異にする。しかも白亜のアーチは、近年
老朽化によって上部が撤去されてしまい、一部がブロック剥き出し
の、見るも無残な姿となっている。
※矢印を画像に近づけると駅入口の画像に。

■犬吠駅

犬吠崎の至近に立地する駅。周囲は灯台のほか宿泊施設があり正月
には初日の出参拝客も利用する事から銚子電鉄の駅の中では破格の
規模を誇る。ポルトガルの宮殿の雰囲気とした駅舎には「ぬれ煎餅」
を始めとするご当地名産品を扱う売店が入居しており、鉄道グッズ
も販売される。広大な駅前広場には、以前には元相模鉄道の廃車両
を利用した福祉喫茶が設置されていたが、現在は撤去されている。
優雅な外観から「関東の駅百選」に選ばれている。

■外川駅

銚子電鉄の終着駅。漁業の町である外川地区の北に位置するこの駅
は、開業当初から殆ど変わらない姿の木造駅舎となる。他の駅舎が
次々に欧風の建物へと改築されていった中でレトロな雰囲気あふれ
る佇まいは鉄道ファンの間でも人気が高い。駅舎を出ると路地の先
には海が広がる。