にょほほ電鉄 - 駅 - 布田駅・・・
布田駅は東京都調布市にある京王線の駅。元々は地上駅であったが
調布駅付近の連続立体交差事業により地下駅となった。地下駅とな
った各駅にはホームドアが設けられたが、隣接する調布・国領の両
駅が可動式ホーム柵に対し、当駅はフルスクリーンタイプ、しかも
密閉型ホームドアが設置された。そのため他の駅にはない「現象」
が起こり、話題となっている。この項では布田駅を紹介する。

■布田駅(駅舎)

駅舎を駅前広場より眺める。元々は地上駅であったが、2012年
の調布駅付近連続立体交差事業の進捗に伴い地下駅となった。線路
跡地には駅舎と駅前広場が設けられたが、調布寄りには線路跡の空
き地が残る。
※矢印を画像にかざすと調布寄りの線路跡地の画像へ。
■布田駅(改札)

元々が線路跡であった場所に駅舎が建築されたため、改札やコンコ
ースは広めにとられている。ガラス張りの開放的なコンコースの奥
にはホームへ降りる階段、エスカレータおよびエレベータが設置さ
れる。
■布田駅(ホーム階)

布田駅は、地上駅時代は相対式ホーム2面の構造であったが、地下
化後は島式ホーム1面の構造となる。布田駅はシールドトンネルと
いう、モグラの様にトンネルを掘り進む工法のトンネル区間内にあ
るが、駅ホームを設けるにあたりシールドトンネルの強度が不足し
てしまうため支柱を線路部寄りに多く設ける必要がある。しかしそ
の支柱が構内に死角を作ってしまい危険なため、支柱をホームドア
構体と一体化した設計とし、そのホームドアも、近年採用例の多い
可動式ホーム柵ではなく、フルスクリーンタイプとしている。
■ホームドア

フルスクリーンタイプのホームドアは、東京メトロ南北線や、ゆり
かもめでも採用例はある。しかし通常は鴨居部が開放されているの
に対し、布田駅は通過列車もあるため、風圧の危険性を考慮し上部
が閉ざされた密閉タイプとなる。密閉タイプのホームドアは、当駅
の他には名古屋鉄道・中部国際空港駅にあるだけで、非常に珍しい
タイプとなる。画像は新宿方面行きホームのドア。京王のイメージ
カラーの一つであるチェリーレッドに塗られている。ちなみに京王
八王子方面行きホームのドアはインディゴに塗られる。
※矢印を画像にかざすと京王八王子方面行きホームのドアへ。
■列車接近時に起こる「ある現象」

布田駅のホームドアが密閉式である理由として、当区間が単線シー
ルドトンネル区間内にある事が挙げられる。列車がトンネルに進入
すると空気がトコロテンのように押し出され、駅構内が強風に晒さ
れる事態となり非常に危険であるため、それを防ぐべく密閉型ホー
ムドアとなった。しかし、完全な密閉とするのは物理的に不可能で
あり「すきま風」の音が構内に爆音の如く轟く。あまりに大きな風
切音であるため不安に感じる乗客も少なくない。一部マニアからは
同様の音がする事で知られる北越急行・美佐島駅になぞらえ「京王
美佐島」なる仇名をつけられている。