にょほほ電鉄 - 駅 - 東成田駅・・・
東成田駅は、千葉県成田市内の成田空港敷地内にある京成電鉄の駅
である。この駅は元々、成田空港開港時に「成田空港駅」として開
業したが立地は空港ターミナルから離れていた。当時は成田新幹線
建設計画があり、空港直結はこちらが優先されたためであるが、新
幹線計画は後に頓挫。1991年、空港直下に建設したまま放置さ
れていた成田新幹線ホームを活用し新「成田空港駅」が開業、その
際に旧駅は「東成田」と改称された。現在では海外旅行客で賑わっ
た往時が嘘のように静まり返っている。この項では東成田駅の現状
を紹介する。
※訪問日:2017年4月・2014年6月ほか

■東成田駅2番線ホーム

京成成田方面から芝山千代田行き列車に乗車すると、成田空港方面
の線路と分岐した直後にトンネルに進入、程なく東成田駅に到着す
る。東成田駅は、開業当初は島式ホーム2面4線の大規模な駅であ
ったが、新「成田空港駅」の開業以降は列車発着本数が激減、1面
2線のみの営業となり、特急ホームとして使用されていた他方のホ
ームは閉鎖された。画像は2番線ホーム。芝山千代田方面行きの列
車が発着する。構内は暗く所々が煤けている。また湿気が強く曇っ
た匂いが立ち込める。
■東成田駅1番線ホーム

対してこちらは京成成田行き列車が発着するホーム。このホームの
向かいに閉鎖された旧特急ホームがある(詳細は後述)
暗い地下駅
で、かつ列車本数も少ない事から、過去にはテレビCMの撮影が行
われた事もあるが、現在CM撮影は北総鉄道矢切駅が使われる事が
多く、現在はこの駅での撮影は皆無である。

■閉鎖された旧特急ホームを臨む

画像奥が閉鎖された旧特急ホーム。照明は非常灯以外消され、床面
の点字ブロックなど一部の設置物は剥がされているが、ほぼ原形を
留めている。線路も存置され、時々留置線として使用される。過去
に初代スカイライナーAE車が廃車された際、解体までの間、暫く
この留置線に疎開されていた事がある。
■今でも残る「成田空港」の駅名標

閉鎖後のホームは殆ど手が加えられていないため、駅名標などの表
示類や、ベンチなどもそのまま残される。画像はこの駅が空港連絡
駅であったことの「証」。
■改札内コンコース

空港連絡駅としての機能を失った東成田駅は、至る所に衝立が設置
され構内が狭められている。画像の衝立の裏側は以前の改札口や改
札内コンコースだった場所で、旧特急用ホームへのエスカレーター
と、廃墟となった軽食店が存置されていた。
※矢印を画像にかざすと、廃墟となった軽食店の画像へ。
■閉鎖された、地上へと上がる階段

先述の通り、衝立で構内配置が大幅に変更されている東成田駅であ
るが、現在の改札内コンコースに、地上へと上がる階段が存在する。
もちろん改札内であるため通常は閉鎖されている。なお地上側は第
5ゲート(後述)と同じく簡素な屋根を持った地下鉄風の出入口と
なる。画像左奥に進むと改札となる。
※矢印を画像にかざすと地上出入口(閉鎖)の画像へ。
■改札口

東成田駅の改札口。成田空港駅時代は、大規模な改札口であったが
現在は新たに小ぢんまりとした改札が設置された。ただし、日中は
人の気配が感じられないものの、朝夕には空港従業員の乗降が多く
見込まれるため、自動改札は3基設けられている(最少は大佐倉駅
の1基)なお空港駅時代の改札は衝立の裏に押し込められたものの
幾つかの案内板は残されたままで「スカイライナー入口」の案内板
も残存する。
※矢印を画像にかざすと「スカイライナー入口」案内板の画像へ。
■改札外コンコース

改札を出た先は、人の気配が感じられないコンコースとなる。円柱
部に設けられたベンチや広い構内など、海外旅行客で賑わった形跡
が見受けられるが、現在は閑散としている。画像右奥には過去に連
絡バス乗り場のあった出口(第4ゲート)が、画像左奥には現在の
連絡バス乗り場へと至る出口(第5ゲート)がある。また画像右手
前には、第2旅客ターミナルへと至る連絡通路がある。
■第4ゲート(地下側)

旧・成田空港駅時代のメインゲートで、当時は空港連絡バス乗り場
へと至る出口であった。現在はその役目を終え、その広さを持て余
している。東成田駅は空港敷地内の立地ため、警備上、不要な出入
口は全て封鎖され、一時期は第4ゲートの周囲にも鉄条網が施され
ここから屋外に出る事ができなかったが、現在は開放されている。
■第4ゲート(地上側)

階段を上がると、ガラス張りの地上出入口に辿り着く。成田空港駅
時代は、駅前より空港ターミナルへの連絡バスが発着していたため
駅舎は上屋を備えた立派な設備となる。現在は第5ゲート(後述)
付近から連絡バスが発着しているため、第4ゲート前の道路は閑散
としている。ただし東成田駅において唯一、空港敷地外に出られる
出入口であり、国道295号線を通じて成田方面、また芝山町方面
へとアクセスできるため、当駅での送迎はこの出入口を使用する事
となる。もっともその様な需要があるかは疑問であるが。
※矢印を画像にかざすと駅舎外観の画像へ。
■第4ゲートの検問所跡

上記の画像を出入口側から望む。成田空港駅時代は第4ゲートから
連絡バスを利用して空港敷地内に入ったため、バス乗車前に検問所
を通過する必要があった。画像の奥に検問所跡が見える。現在、第
4ゲートは空港敷地外となるため、検問所も閉鎖されている。
■空港第2ビル駅へと続く連絡通路

再び地下に戻る。第4ゲートへ至る階段の右脇には、第2旅客ター
ミナルへと至る連絡通路がある。東成田駅と空港第2ビル駅は僅か
500mの距離にあるため、連絡通路で赴くことも可能。両駅共に
連絡口は改札付近に立地するが、空港第2ビル駅側は、改札の真正
面にあるものの、関係者用通路然とした開口部の小さい入口に一見
して気づかない。
※矢印を画像にかざすと、空港第2ビル駅側の出入口画像へ。
■空港第2ビル駅へと続く連絡通路

連絡通路は約500mの距離である。幅4mほどの通路ではあるが
圧迫感は非常に大きい。列車発着時間以外は歩行者が殆どいない通
路のため、通路歩行中、誰ともすれ違わない。至る所に設置された
防犯カメラが、物々しい雰囲気を漂わせる。なお要人の来日などの
警備強化時は、この通路は閉鎖される場合がある。
■壁画「曲水の宴」

再びコンコースに戻る。コンコースには壁画「曲水の宴」が設置さ
れている。1980年に設置されたこの壁画は「この陶板レリーフ
は平安時代に貴族の間で流行した典雅な遊び『曲水の宴』を再現し
たもの」と説明される。原画製作は森田廣平、造形はルイ・フラン
セン。なお題字は、当時の京成電鉄の社長である川崎千春のもの。
川崎は「芸術肌」の一面を持ち「油絵の薔薇を描かせたら天下一品」
の逸話がある。
■第5ゲートへ至る通路

壁画の右奥には、第5ゲートへと至る通路が伸びる。第5ゲートは
貨物ターミナルや管制塔へと至る出入口であるため、空港関係者の
利用が多い。第5ゲート方面へと進む。
■第5ゲート(地下側)

第5ゲートへと至る階段。以前のメインゲートでかつ空港敷地外へ
出られる第4ゲートに対し、第5ゲートの先は空港敷地内となる。
また空港連絡バスが発着するバス停の最寄となるが、バス停は第5
ゲートから100m離れた場所で利便性に乏しい。
なお第5ゲート
の先は空港敷地内であるため検問所が併設され、こちらで身分証明
と所持品検査を受ける必要がある。
※なお第5ゲート建屋は警備上の理由で撮影が禁止されております。
当サイトは第5ゲート建屋の撮影や画像の掲載を行いません。
■芝山鉄道へと至るトンネル

空港新線開業後の東成田駅は空港関係者が利用するのみの駅であっ
たが2002年に芝山鉄道が開業し、当駅は両鉄道の連絡駅となっ
た。芝山鉄道のトンネルは空港反対派の土地を避けるように建設さ
れたため不自然な曲線が点在し、列車も徐行を余儀なくされる。



訪問時に注意を怠ると逮捕または職務質問を受けることが想定さ
れますので、訪問時には充分お気をつけ下さい。


当駅は成田空港の敷地内です。一般の場所とは違って警備が強化
された区域となります。駅構内で不用意な行動を取ると、空港警
備員によって職務質問を受ける場合があります。見学の際は充分
にご注意下さい。


駅入口のうち第5ゲート建屋は検問所のため、警備上の理由で撮
影が禁じられております
他のサイトやブログでは第5ゲート建
屋を撮影したものを掲載している例もありますが、当サイトは意
向に沿って撮影や画像の掲載を行いません
)また駅周囲での空港
設備などの撮影もお控えください。なお、その他の場所で撮影を
する際も細心の注意を払ったうえで撮影をお願いいたします。


2015年3月より、成田空港ではセキュリティチェックの代わ
りに150台のカメラによる監視を行っておりますが、任意で運
転免許証や健康保険証などの公的身分証明書の提示を求められる
場合がありますので、必ず持参のうえ訪問願います。なお第5ゲ
ートのみは検問所が残され、引き続きセキュリティチェックが実
施されておりますのでご注意ください。


要人の来日や空港反対派による集会、テロ警戒などで警備が強化
された際は、東成田駅を含む成田空港敷地内の全駅で見学ができ
なくなりますのでご承知おき下さい。また当駅から空港第2ビル
駅までの通路も閉鎖される事があります。