にょほほ電鉄 - 駅 - 国会議事堂前駅・・・
国会議事堂前駅は、東京都千代田区永田町にある東京地下鉄の駅。
その名の通り、国会議事堂の直下に立地する。また付近には議員会
館や総理官邸、内閣府など国家の中枢機関が集中する。そのため駅
周辺は警察官が多く常駐し緊張感が漂う。駅は丸ノ内線ホーム端に
日本の地下鉄初のシールドトンネルが、また千代田線ホームは都内
屈指の深い駅であるなど、特徴が多い。この項では、唯一無二の雰
囲気漂う国会議事堂前駅を紹介する。
※取材日:2013年10月24日

■丸ノ内線ホーム

1959年に霞ヶ関〜新宿間延伸の際に開業した駅。現在は駅ホー
ムが国会議事堂敷地直下に位置するが開業当初は敷地外であった。
ただし駅が移転したわけではなく、元々国会敷地に沿うように敷設
された道路の下を丸ノ内線が通っていたが、その道路が国会敷地拡
張により廃道となり、敷地に組み込まれたため。2007年までは
ほぼ開業当時のままの内装であったが、改装やホームドア設置によ
り現在は近代的な雰囲気となった。
※矢印を画像にかざすと2007年以前の駅構内の画像へ。
■赤坂見附寄りに存在するシールドトンネル

国会議事堂前駅の赤坂見附寄りは、トンネルの断面形状が半円形と
なる。これは日本の地下鉄初のシールドトンネルである。国会議事
堂は景観の観点から丘の上に建築されたため、相対的に駅は地上か
ら深い位置となり、地上からの掘削が困難であり、シールド工法で
の採用となった。なお当区間で採用されたのは半円形シールドトン
ネルであるが、その後は円形シールドトンネルが主流となったため
他ではあまり例を見ない。
■丸ノ内線1番ホームより千代田線方面を望む

シールドトンネルを眺めつつ左に目をやると、左奥側には千代田線
への連絡通路が、また左手前には改札口への階段が立地する。まず
は階段を上り、改札外へ向かう。
■駅構内の広告看板

国会議事堂前駅もご他聞に漏れず広告スペースは存在するが、駅の
立地環境から、他の駅とは何やら雰囲気が異なる。画像は丸ノ内線
の改札内コンコースに掲示されているもの。このように地方自治体
や経済団体によるPRに利用されるケースがある。この流れは永田
町駅でも散見される。
■1番出口脇にある謎の通路

改札を出て1番出口へ向かう途中に、照明もまばらな暗い謎の通路
が存在する。この通路は衆議院第一議員会館へ向かうもの。しかし
出口番号は付与されておらず、駅構内図にも記載されていない。こ
の通路を利用できるのは議員会館関係者のみのため。一般来訪者は
この通路を使用することはできず、1番出口を利用のうえ地上より
訪問する形となる。
■1番出入口

国会議事堂裏に位置する出入口。総理官邸前交差点の至近に位置し
総理官邸や衆議院議員会館の最寄となる。国会議事堂敷地内に立地
するためか、外観は開業当時のまま殆ど手を加えられていない。
※矢印を画像にかざすと総理官邸前交差点の画像に。
■再び丸ノ内線ホーム

再び改札内に戻り、今度は千代田線方面へ赴く。丸ノ内線ホームを
離れると急に照明は暗くなる。また連絡通路は、列車到着時以外は
人とすれ違う事がなくなる。千代田線改札からの階段と合流した先
に、やや長めのエスカレーターが現れる。
■千代田線との連絡通路

千代田線ホームへと向かうエスカレーター。上下あわせて3基設置
されるが、日中は中央の1基が停止される。千代田線駅は地表から
の深さが37.9mで、東京メトロで地表から最も深い駅(注1)
となるが、新御茶ノ水駅や南北線後楽園などで設置されている様な
非常に長いエスカレーターは当駅では存在しない。開業時はシック
な雰囲気であったはずの、ブロンズふうの壁面パネルは、現在では
薄暗さを助長してしまっている。
(注1)参考までに、海抜が最も低い駅は半蔵門線住吉駅となる。
■千代田線ホーム

東京メトロで地表から最も深い位置にある駅。島式ホーム1面2線
の駅となるが、実際は単線シールドトンネル2本を、6本の連絡通
路で繋いだ構造となる。そのため湾曲した壁と相まって圧迫感ある
駅である。地下水の漏水も多かったが、漏水対策工事と共に改装工
事が行われた
。デザインは線路側壁面が大理石調(概要参照)ホー
ム側壁面に木目のパネル、そして駅名標周囲をブロックガラスで囲
むというデザインである。
※矢印を画像にかざすとホーム壁面側の駅名標の画像に。
■千代田線ホーム

代々木上原行きホームと綾瀬行きホームを結ぶ通路には、国会議事
堂を思わせる装飾が施される。左記画像のアングルでは、一見、地
下鉄の駅とは思えない。
■国会議事堂

言わずと知れた立法府の最高機関。正面右側が衆議院、左側が参議
院となる。訪問日は参議院予算委員会が開会中であり、敷地内には
国会職員によって、また国会周囲は警察官によって警備が行われて
いた(
注:国会は立法府の最高機関であるため、三権分立の原則に
のっとり行政府の警察ではなく国会職員により警備される
)また取
材日は修学旅行の学生が多く訪れていた。

国会議事堂前駅は1959年に丸ノ内線の延伸開業の際に設けられ
た。また1972年には千代田線駅も開業。1997年には南北線
溜池山王駅開業により、同駅と乗換駅扱いとなった。