にょほほ電鉄 - 駅 - 行川アイランド駅・・・
行川アイランド駅は、千葉県勝浦市に立地する外房線の駅である。
至近に立地していた「行川アイランド」の入場者数の増加に伴って
臨時駅として設置された経緯がある。昭和末期に常設駅へと昇格し
特急列車も停車したが、2001年に行川アイランドは閉園、以降
は乗降客が激減し現在に至る。この項では行川アイランド駅および
駅周辺の現状を紹介する。

■駅前歩道橋から行川アイランド駅方向を臨む

千葉県勝浦市の国道128号線と旧道(外房黒潮ライン)との交差
点付近に、行川アイランド駅は立地する。国道を挟んで反対側には
過去にレジャー施設「行川アイランド」が立地しており、同施設の
入場者数増加に伴い1970年に臨時駅として開設した。国鉄時代
において民間商用施設の名を冠した駅名は極めて異例であった。国
鉄の分割民営化と同時に常設駅へと昇格したが、無人駅のまま現在
へ至る。
■行川アイランド駅

歩道橋を下り坂道を上ると、車寄せ程度の広さの駅前広場と駅舎が
現れる。無人駅であるが駅舎は2008年に新築されたもの。また
階段手前には簡易Suica改札機が設置されている。
※矢印を画像にかざすと簡易Suica改札機の近影画像へ。
■行川アイランド駅ホーム

駅ホームは1面1線の単線ホームとなる。しかし観光客の利用が多
かった駅であるため、特急列車も停車できるよう11両編成対応と
なっている。最盛期の一日平均乗車人員は266人(1990年)
であったが、2006年には19人にまで激減している。

■行川アイランド(駐車場入口)

都市生活者に明日の活力を養う憩いの場として、人と鳥と動物の共
生を図る目的で1964年に開園した、動植物園を中心としたレジ
ャー施設である。特にフラミンゴショーが人気を博し、最盛期には
年間入場者数が117万人に達した。しかし隣接する鴨川市に「鴨
川シーワールド」が開園して以降、入場者数は減少、2000年に
は19万人にまで落ち込み、翌2001年に閉園した。画像は駐車
場入口。施設跡は荒れ放題となる。また施設前の交差点は現在でも
「行川アイランド前(何故かルビはNamekawa)」となる。
※矢印を画像にかざすと交差点名の画像へ。
■行川アイランド(施設入口)

行川アイランドは巨大な御椀型の窪んだ土地に立地していた。その
ため園内に入るには長大なトンネルを通る必要があった。画像は施
設入口跡。現在は門扉に覆われ立ち入る事はできない。なお入口の
反対側にあたるホテル跡地方面は海に面しているが、この地形は軍
事施設であった名残だとされ、園内に多くある洞窟は弾薬庫に使用
されていたという。
■年月の経過により朽ち果てた駐車場の精算機

1964年に開園した行川アイランドは、フラミンゴショーの人気
から1970年に年間入場者数が117万人を記録。施設利用者の
利便性を考慮し外房線に駅が設けられた。しかし県内のレジャー施
設が相次いで開園すると利用者は減少、2001年に閉園が発表さ
れた。地元住民によって署名活動も行われたが同8月をもって閉園
した。なお閉園後の敷地は、複合リゾート施設として開発を目指し
実際に温泉井戸も掘削されたが、その後のリーマンショックを始め
とする世界金融危機の影響で開発が凍結、行川アイランド跡地は現
在も撤去される事なく放置されている。