にょほほ電鉄 - 駅 - 西枇杷島駅・・・
西枇杷島駅は、名古屋市に隣接する清須市にある名鉄名古屋本線の
駅。名鉄名古屋駅から3駅目という好立地でありながら、どこか裏
ぶれた雰囲気を醸し出すローカル駅である。しかし名鉄の列車運用
上、非常に重要な存在の駅でもある。この項では、そんな不思議な
駅を紹介する。


■西枇杷島駅・駅舎

庄内川の西詰に立地する西枇杷島駅の駅舎。表面は整備されている
ものの、木造の古い駅舎である。駅のすぐ脇には県道が走るが陸橋
がそびえるため実に影の薄い駅である。付近は川面より地形が低く
2000年の東海豪雨では当駅も水没している。なおこの駅は無人
駅扱いであるが、後述の枇杷島分岐点の管理を行う事や、駅自体が
特殊な構造である事から、安全のため係員は常駐している。

■駅ホーム

駅ホームは、島式ホーム2面の構造であるがそのホームが実に狭く
屋根もない。ホーム長も4両編成がギリギリ停車できる長さ。これ
は駅東側を県道、駅西側を東海道新幹線の線路に囲まれており延伸
ができないため。また列車退避が可能な駅であるが、あまりに狭い
ため、当駅での列車停留が乗客にとって危険である事から、朝ラッ
シュ時を除き列車退避は行われていない。
■閉じたままの構内踏切

駅ホームが狭い当駅は通過列車が非常に多く乗客がホームに立つ事
は危険である。そのため普通列車到着時を除いて、構内踏切は閉じ
たままとなる。無人駅にもかかわらず係員が常駐する理由の一つに
ホーム内の乗客の有無を監視する目的と、構内踏切の管理がある。
(作者も駅名標を撮影後、ホームから出るよう促された)普通列車
到着の数分前にようやく踏切は開放され、乗客はホームへと向かう。
※矢印を画像にかざすと遮断機開放の画像に。
■名古屋方に存在するデルタ線

駅の名古屋方は右方向へ急曲線となりながら犬山線と合流する(画
像中央を横切る列車が犬山線)その本線と犬山線が合流する枇杷島
分岐点は西枇杷島駅が管理をしている。当駅に係員が常駐する、も
う一つの理由である。両線とも本数が非常に多くしかも平面交差で
あるためダイヤ乱れ時の采配は神業。左へと分岐する線路は両線の
連絡線(こちらは非営業線)で、この付近の線路はデルタ状となる。
画面左はこのデルタ線に囲まれた唯一の民家。
■西枇杷島駅を通過する列車

先述の通り、西枇杷島駅は名鉄名古屋駅から3駅目という好立地。
しかし、枇杷島分岐点以西の本線の普通列車は日中1時間に2本と
いうローカルぶりで通過列車ばかりが目に付く。また隣の二ツ杁駅
との距離は短く、しかも二ツ杁駅は準急が停車しこちらを利用した
方が便利であるため、当駅は名古屋至近にもかかわらず、乗降客が
少ない。
■西枇杷島駅に到着する普通列車

西枇杷島駅は1914年に開業するが、第二次世界大戦が始まると
営業休止となった。終戦後も復活する予定はなかったが1949年
枇杷島分岐点構内にあった枇杷島橋駅構内で事故が発生し、分岐点
構内に駅がある事への疑問視から枇杷島橋駅は廃止、代案として西
枇杷島駅が復活した経緯がある。