にょほほ電鉄 - 駅 - 大江戸線各駅・・・
2000年に全線が開業した大江戸線は、環状部の駅において公募
プロボーザル方式により駅構内デザインを設計事務所に委託した。
そのため従来の地下鉄駅とは異なるデザインの駅が多い。飯田橋・
春日・大門・麻布十番・青山一丁目・新宿西口・牛込神楽坂・森下
・清澄白河・国立競技場の各駅は大江戸線選抜駅としてグッドデザ
イン賞を、また一部の駅では土木学会技術賞を受賞している。この
項では特にユニークな駅を紹介する。

■赤羽橋駅

麻布と芝の間の鉄道空白地帯に立地するこの駅は、ホーム線路部の
壁面や駅事務所の仕切またベンチなど、いたる所にガラスブロック
があしらわれており、全体的に透明感あふれる駅となっている。大
江戸線の中でもかなり凝ったデザインの駅である。

■飯田橋駅

飯田橋駅は全体的に部材の無骨さを全面的に押し出したデザインの
駅で、無機質かつ未来的な雰囲気が漂う。ホーム部は構造物の高さ
をそのまま生かし、地下ながら開放的な空間となる。天井や支柱は
コンクリート打ち放し風のデザイン(実際はグレーの保護塗装)で
ベンチもH鋼をそのまま採用している。この駅は渡辺誠氏による設
計で日本建築学会賞とグッドデザイン賞を受賞している。
■飯田橋駅

ホームから改札への通路もまた構造物の高さを生かした空間となり
非日常的な雰囲気が漂う。照明は縦のスリットに埋め込まれ、間接
照明風に通路を照らす。
■飯田橋駅

改札へと続く階段部の天井は、何とも不思議な緑のパイプが無造作
に並び、そこには照明が埋め込まれている。この照明には「ウェブ
フレーム」という名前がつけられる。小石川側の階段の壁面は大理
石となるが反対側の階段はアルミとコンクリートの無機質な壁面と
なる。

■牛込神楽坂駅

昭和初期には付近に多くの料亭が軒を連ねていた地に立地するこの
駅は、花街の雰囲気を考慮し料亭をイメージした黄土色の砂壁や床
また石畳に見立てた灰色の線路部壁面などを採用、落ち着いた雰囲
気となる。なおホーム部は前田雅之氏による設計だが駅入口だけは
別会社による設計となり、明治の洋館の様な雰囲気となる。この駅
はグッドデザイン賞を受賞している。

■清澄白河駅

以前は古い工場が連ねる伝統的下町であったこの地も再開発によっ
て変貌を遂げ、当駅はそのイメージをデザインに反映させた。ホー
ム壁面は「20世紀文明の化石」と題し、地元で生産されてきた工
業製品の廃材を用いたアート壁となっている。またこの壁画もよく
見ると太古から始まる歴史的なストーリーが設定されている、非常
に凝ったものである。

■蔵前駅

その昔、年貢米を貯蔵する米蔵が立ち並んでいた事から地名となっ
た蔵前。この地に立地する駅のデザインには、そのものズバリ蔵を
イメージした雰囲気となり漆喰の雰囲気の白と瓦の雰囲気の黒を基
調とする。また改札やコンコースも「蔵の街」をイメージした作り
となっている。

■門前仲町駅

富岡八幡宮で有名な深川の中心部に位置する駅。駅構内も富岡八幡
宮を意識した雰囲気となり、通路を参道、改札を門と見立てている。
またホーム部は、和の伝統色である薄い藍色を基調としている。画
像の駅名標の周辺には、ドットのような模様が散りばめられ、一見
スクエアな雰囲気となるが、実はこのドットは門・前・仲・町の4
文字を、江戸文字風の角文字にアレンジして配列しており実に凝っ
たデザインとしている。

■六本木駅

東京一の夜の繁華街である六本木の中心に位置する駅。金管楽器に
見立てた大きな筒を埋め込む雰囲気としたデザインであるが、金色
の駅名標や、黒御影石の柱など、どう見ても六本木のホストクラブ
を思い出さずにいられないデザインである。なお当駅は東京の地下
鉄駅で最も深い地下42mの位置にある。