にょほほ電鉄 - 駅 - 白金台駅・・・
白金台駅は、東京都港区に立地する東京メトロ南北線・東京都交通
局三田線の駅。両路線が同一ホームに停車する珍しい駅となる。た
だし駅管理は東京メトロとなるため、南北線の他の駅と仕様を合わ
せている。また近隣に国立科学博物館附属自然教育園がある事から
生態系(地下水)への影響を最小限とするため、世界的にも特殊な
掘削工法で施工された。この項では、工法的にも運用的にも変わっ
た白金台駅を紹介する。


■白金台駅2番出入口

目黒通り上にある白金台駅。2番出入口は、東大医科学研究所附属
病院や八芳園、明治学院大学の最寄となる。付近にある都営バスの
停留所は元々「日吉坂上」であったが駅開業に伴い「白金台駅前」
と改称されている。
■改札口

改札口は1番出入口側に1箇所、2番出入口側に1箇所の計2箇所
が設置される。画像は2番出入口側改札。自動改札4基の規模なが
ら、開放感のある改札となる。
■赤羽岩淵・西高島平方面行きホームへの階段

白金台駅は東京メトロ南北線と、都営三田線の共同使用駅であるが
それぞれの路線にホームがあるわけではなく、線路自体を共用して
いるため、ホームへ至る階段には両路線の路線図が記載される。
■赤羽岩淵・西高島平方面行きホーム

白金台駅は、付近に国立科学博物館附属自然教育園が立地し、地下
水の枯渇など生態系への影響を懸念して、付近住民より反対運動が
起きた。そのため、生態系への影響を最小限とするため、着脱式三
連型・駅シールド工法という、世界的にも特殊な工法で施工された。
複線トンネル掘削のシールドマシン(掘削機)の両脇に、駅部分を
掘削する小型のシールドマシンを備え付け施工したもの。3匹のモ
グラが横に並んで掘り進む雰囲気である。なお階段部分のみは地上
からの掘削で施工される。境界部(黄色い壁の手前と奥)のホーム
ドアの違いに注目。
■シールド工法部分のホームドア

南北線のホームドアは、フルスクリーンタイプと呼ばれる、線路と
ホームを完全に遮断するタイプを採用する。通常の駅は戸袋部分は
ガラス壁となるが、先述の通り白金台駅は着脱式三連型・駅シール
ド工法で施工されたため、線路部とホーム部の間に太い支柱を立て
る必要があり、これがホームドア間に立つ事となった。そのため戸
袋部分に太い支柱が立ち、エレベータのドアのようになっている。
■白金台駅に進入する南北線電車

ホームドアから線路部を撮影。通常、シールド工法の駅は上下線の
単線トンネルを繋げてホームとするタイプが殆どで、ホームは上下
線の間にホームがある「島式ホーム」となるが(
大江戸線飯田橋駅
参照)白金台駅は着脱式三連型・駅シールド工法で施工されたため
線路の両脇にホームがある「相対式ホーム」となる。シールドトン
ネルでの相対式ホームは非常に珍しい事例。
■ホームに設置された簡易ベンチ

南北線の駅はデザインが統一されており、白金台駅にも折りたたみ
式のベンチが設置されるが、それとは別にパイプ式の簡易ベンチも
設置される。横浜市営地下鉄で初採用された簡易ベンチは、スペー
スが確保できない場所などで採用される。白金台駅もホーム中央部
は通常の折りたたみ式ベンチであるが、階段付近のみが簡易ベンチ
となる。
■白金台駅ホーム

着脱式三連型・駅シールド工法で施工された事がよく判る画像。円
筒形のシールドマシン(掘削機)を用いて施工したため、ホーム壁
面が天井にかけて弧を描いている。弧を描いた壁面を活用し、間接
照明を採用した、狭いながらも圧迫感を感じさせないデザインとな
っている。

■番外編・ホームドアを開放した状態

取材中、偶然にもホームドアを開放した状態を目撃できた。遺失物
の捜索と思われる。