にょほほ電鉄−車両−阪神電気鉄道
阪神電気鉄道は大阪梅田から神戸元町の海側を走る鉄道。山側を走
る阪急神戸線とは競合関係にある。しかし阪急に比べて駅間は短く
そこを高速で走るため、車両は赤胴車と呼ばれる急行用と、青胴車
と呼ばれる普通用とで仕様が異なり、青胴車は高い加速度が特徴で
「ジェットカー」なる異名を持つ。路線長は大手私鉄では相模鉄道
に次いで短いが阪神の名は「阪神タイガース」で有名。
※画像はタイガースの本拠地・甲子園球場
駅名標 阪神電気鉄道
駅名標は、近年まで2種類のデザインが存在し、また派生形も多か
ったため統一感がなかったが、なんば線開業を機に左記のデザイン
に統一された。青を基調としながら鮮やかなデザインとなった。

和文書体:漢字・ロゴG、仮名・新ゴ
欧文書体:Verdana

注意喚起用ドアステッカーは、手の絵柄が過去の意匠を引き継いで
いるものの、京阪のステッカーと同じく細長いものとなった。また
これとは別に、戸袋際には黄色い縦型ステッカーも貼付される。
※矢印を画像にかざすと戸袋際のステッカーの画像へ。

■1000系(2007年)

急行用最新鋭車両。なんば線および近鉄線への乗り入れ用として登
場した。9000系以来のステンレス車体であるが、阪神の急行車
用新塗色であるオレンジ色の塗装方法が乗降扉付近に変更された。
また阪神車両では初めて、行先表示機がLED化された。6両編成
の基本編成のほか、増結用として2両編成が在籍する。
■9300系(2001年)

急行用車両。山陽電鉄姫路までの直通運転を考慮に入れ、一部では
あるが実に37年ぶりにクロスシートが復活した。また普通用車両
である5500形に倣い、急行系車両としては初の新塗色を採用。
しかしオレンジという塗色が「阪神にとってライバル球団の、読売
ジャイアンツを連想させる」との理由で新塗色は評判があまりよろ
しくないとか。
■9000系(1996年)

急行用車両。阪神大震災では、阪神の車両も甚大なる被害を受けた
が、一刻も早く車両を確保するため、車両製造元の川崎重工で最も
工期の早いステンレスを採用した。阪神では約20年ぶりのステン
レス車両である。また急行用車両としては初のVVVFインバータ
制御を採用した。なお現在は近鉄線直通への対応工事が施され、塗
装もオレンジベースに変更された。
■8000系(1984年)

急行用車両。従来車とは大幅に異なる前面形状で登場した。大きな
前面窓に並んだライトというデザインは現在の車両に至るまで継承
されている(
第1編成のみ旧型車と同様の前面形状となる。詳細は
後述
)阪神の急行車両の主力として活躍。登場当初は、阪神伝統の
「赤胴車」塗装であったが、リニューアル工事と共に9300系と
同等のオレンジベースに変更された。
■8000系(第1編成・1984年)

急行用車両。阪神の代表車両である8000系は、第1編成のみが
従来の車両と大差ない外観となる。これは、武庫川線の路線延長に
伴う車両転属で本線の車両数が不足したために、急遽増備されたた
めである。そのため車両性能は他の8000系と同様であるがデザ
インまで手が回らず、左記の様な外観となった。当初は両先頭車共
旧態依然の外観であったが、3両が阪神大震災で被災し廃車となっ
たため、現在は後に新造された3両と連結されている。そのため両
先頭車で形状が異なっている。
■5700系(2015年)

普通用車両。車体は1000系を基本とし、普通用車両としては半
世紀ぶりにステンレス車体を採用。側面は、ドア周りにおもてなし
の心と青い地球をイメージした青い丸が配される。車内は、全車両
に優先席と車椅子・ベビーカースペースを設け、出入口側には、立
客の腰当てにも使用できる大型の袖仕切を設置。乗客への配慮が工
夫されたこの車両は、通勤型車両では珍しく鉄道友の会「ブルーリ
ボン賞」を受賞している。
■5500系(1995年)

普通用車両。阪神大震災で被害を受けた車両を一刻も早く復旧させ
るべく、新車の製造が望まれていたが、その際、震災復興で生まれ
変わる阪神を表現すべく、車体色には新たに、上半分ライトブルー
下半分ライトグレーという、爽やかな塗色を採用した(現在は新塗
装化)。制御装置は阪神初のVVVFインバータ制御を採用、また
室内にも電光表示機を設置するなど、新時代の阪神を印象付ける車
両となった。
■5550系(2010年)

普通用車両。5500系のマイナーチェンジ車として登場した。機
能面においては1000系に準ずる装備となる。従来、阪神の車両
を製造していた武庫川車両が解散したため、車体は阪急系列のアル
ナ車両が製造、艤装は阪神車両メンテナンスにより行われた。奇し
くも阪急阪神HD内の合作となる。1編成のみの存在。なお車齢が
浅いためリニューアル工事が行われておらず、5500系が塗装変
更された中、本系列のみライトブルーの塗装が残されている。
■5001形(1977年)

普通用車両。初代5001形の老朽化や非冷房車の淘汰に伴い登場
した。製造当初は2両編成で方向幕も設けられていなかったが4両
固定編成化工事の際に方向幕が設置された。また現在では、車椅子
スペースも設けられている。2026年までに引退が予定されてい
る。

■近畿日本鉄道・9820系(2001年)

近鉄奈良用8000系の老朽化に伴い登場した車両で「人に優しい
地球に優しい」をコンセプトにした車両「シリーズ21」の奈良線
バージョンとして登場した。阪神なんば線開業に伴い阪神と近鉄の
直通運転が開始され、この車両は直通運転対応工事を施されており
阪神三宮まで乗り入れる。
※阪神の車両ではないものの、直通列車として阪神線内を走行する
 ため、この項にて取り上げました。
■近畿日本鉄道・1020系(1991年)

近鉄奈良線用車両。近鉄線標準軌区間の共通仕様となるVVVF制
御車両である。ただし他形式が様々な線区で使用されているのに対
し、この形式は何故か奈良線にしか配属されていない。阪神なんば
線開業に伴い、阪神と近鉄の直通運転が開始され、この車両は直通
運転対応工事を施されたうえ、阪神三宮まで乗り入れる。
※阪神の車両ではないものの、直通列車として阪神線内を走行する
 ため、この項にて取り上げました。

■山陽電気鉄道・5000系(1986年)

神戸と姫路を結ぶ山陽電車の主力車両。鋼体はアルミ車体とし車内
にはクロスシートを備える。制御装置は、界磁添加励磁制御という
簡易省エネ制御を採用する。直通特急として姫路より阪神梅田まで
乗り入れる。
※阪神の車両ではないものの、直通列車として阪神線内を走行する
 ため、この項にて取り上げました。
■山陽電気鉄道・5030系(1997年)

山陽電車の主力車両である5000系は、阪神との直通運転を開始
するのに伴い、車両不足を補うため再び製造されたがVVVF制御
の採用や座席の転換クロスシート化など、変更が加えられた。その
ため、この車両は5030系とも呼ばれる。5000系と共に直通
特急として姫路より阪神梅田まで乗り入れる。
※阪神の車両ではないものの、直通列車として阪神線内を走行する
 ため、この項にて取り上げました。

■8000系(旧塗装:1984年〜2015年)

現在も阪神の主力車両である8000系は、登場当初は、阪神伝統
の上半分がクリーム色、下半分が朱色の「赤胴車」塗装であった。
2002年より9300系に準じたリニューアル工事が施され、そ
の際に塗色も同形式に倣った、上半分がオレンジ、下半分がホワイ
トの新塗装へと変更された。最後まで旧塗装で残っていた8239
編成が2015年5月に更新工事のため入場し、旧塗装は本線上か
ら消滅した。
■2000系(1990年〜2011年)

急行用車両。1963年製造の7801形と、日本初の電機子チョ
ッパ制御車両である1966年製造の7001形を、簡易省エネ制
御である界磁添加励磁制御とし、また6両固定編成の改造を施した
車両である。外観は従来車と大差ないが、室内は電光表示機が設置
されるなど、新車と遜色のない改造が施された。老朽化と1000
系の増備により、2011年6月をもって引退した。
■7861形・7961形(1966年〜2020年)

1967年の昇圧に伴う編成増強のため主力車両の4両編成化が発
生したが、2両編成の車両が相対的に減少するため、2両編成車両
を確保すべく1963年登場の7801形・7901形をベースに
製造された車両。阪神では最後の片開き扉車両である。本線時代は
混雑時の増結用として活躍したが、晩年は本線を離れ、武庫川線で
活躍する。武庫川線に5500形が転属するに伴い、2020年を
もって引退した。
■5131形・5331形(1981年〜2019年)

普通用車両。非冷房車の淘汰に伴い登場した。
5001形と同一の
車体に、省エネ効果の高い電機子チョッパ制御装置を搭載した。制
御器のメーカーにより百の位の数字が異なり、東芝製機器搭載車が
5131形(東芝の「とお」で1)、三菱製機器搭載車が5331
形(三菱の「みつ」で3)となる。制御装置の部品調達が困難にな
ったため、2019年に、抵抗制御車の5001形よりも先に引退
した。