にょほほ電鉄−車両−伊豆箱根鉄道
伊豆箱根鉄道は、静岡県の三島から修善寺へと至る駿豆線と、神奈
川県の小田原から大雄山へと至る大雄山線を所有する鉄道。西武の
グループ会社であり、一時期は箱根の観光事業を小田急(当時は東
急)と争い、その争いは「箱根戦争」と呼ばれた。駿豆線にはJR
から特急「踊り子号」が直通運転し、自社の車両もバラエティに富
む。対して大雄山線は1車種のみであるが、近年はカラーバリエー
ションが増えている。
※車両紹介の
は駿豆線、は大雄山線車両。
駅名標 伊豆箱根鉄道
駿豆線の駅名標は、国鉄風のシンプルなデザインであるが、三島付
近の一部の駅では写真のような毛筆体の書体を使用した非常に古い
駅名標が未だに掲げられている。

使用書体:手書き風
対して大雄山線の駅名標は、電照式は国鉄風デザインであるが地上
設置型の駅名標ではオリジナルデザインのものを採用する。ただし
通常の駅名標はフィルムシートをカットして貼付する制作方法であ
るが、こちらは大判のプリンタで印刷した駅名標となる。

和文書体:ゴナ

1300系(2008年)

駿豆線用車両。1100系の老朽化に伴い西武101系を譲受のう
え導入した。塗装は従来車を踏襲するもののやや簡略化され白地が
目立つ。電光表示器やスタンションポール設置など若干の改造はさ
れたものの、殆どは種車のままである。当初は1100系全3編成
を置換える予定であったが、2編成が導入されたに留まっている。
現在、1301編成は西武時代の塗装となり「イエローパラダイス
トレイン」として活躍する。
7000系(1991年)

駿豆線用車両。老朽化した1000系の代替および冷房車比率向上
またJR東海への直通運転計画にともない製造された。そのため側
面はJR東海311系に酷似する。また快速運転時に座席指定車両
とするため中間車は2扉となる。しかしJRへの直通運転は頓挫し
増備は2編成で終了となった(以後増備は3000系となる)なお
画像の第2編成は現在、地元を舞台にしたアニメ「ラブライブ!」
のラッピング車両となる。
3000系(1979年)

駿豆線用車両。西武や国鉄からの旧型車両の置換えおよび車体大型
化・冷房化を目的として導入された。同社初のカルダン駆動方式や
冷房装置を採用した車両である。前面形状は正面窓周辺が窪んだ独
特のデザインで、塗色も伊豆の空と富士山の白雪をイメージした塗
装とされた。以後の伊豆箱根鉄道の標準塗色となり、特にブルーは
後に親会社の西武鉄道でも採用された。観光と通勤の両方の顔を持
つ駿豆線において、双方に対応できるよう、室内の座席はボックス
シートを採用。ステンレス車を含めて6編成が在籍する。
※ステンレス車は後述。
3000系ステンレス車(1987年)

駿豆線用車両である3000系は、第5編成から鋼体にステンレス
を採用。また前面のデザインは大雄山線5000系に近い形状とな
り、側面の窓割等にも変更が加えられている。さらに第6編成では
7000系との共通化が図られ、行先表示のLED化や、前面下部
には排障板が設置された。
※矢印を画像に近づけると第6編成の写真に。
5000系(1984年)

大雄山線用車両。駿豆線3000系をベースに製造された。大雄山
線には緑町〜井細田間に急カーブがあるため18m級中型車両とな
る。また行先が小田原と大雄山しかないため、行先表示は方向幕で
はなくバイナリーヘッドマークという行先を背後から照らす方式と
した。第1編成である5501編成は普通鋼で製造され、登場時は
駿豆線3000系と同様の塗装が施されたが、2023年に、沿線
の大雄山最乗寺の認知を広げるため「天狗電車」として登場した。

5000系ステンレス車(1986年)

大雄山線用車両である5000系は、5502編成より車体がステ
ンレス鋼へと変更され無塗装化が実現。また補助電源装置も静止形
インバータとされた。5505編成は座席がクロスシートとされた。
また5506編成より行先表示のLED化と排障器(スカート)が
設置されている。
5000系「イエロー・シャイニング・トレイン」(2019年)

5504編成は2019年4月より、車体カラーを従来のブルーか
らイエローに変更した。これは工事用車両であるコデ165形の塗
装を黄色からブドウ色に変更した事で、黄色の電車が在籍しなくな
ったため「皆様の生活に幸せ・温かみ・輝きを与えられるように」
と願いを込め、当編成のイエローへの変更が行われた。
5000系「ミント・スペクタクル・トレイン」(2019年)

5505編成は2019年9月より、車体カラーをミントグリーン
に変更した。大雄山線が2020年で開業95年を迎えることから
「新たな挑戦を続ける事とより色鮮やかさを感じていただけるよう
に」との思いから、この塗装を選択した。
5000系「リンドウ電車」(2024年)

5507編成は2024年4月より、車体カラーを紫色に変更した。
2025年に大雄山線100周年を迎えることから、その一環とし
て、沿線の南足柄市の花であるリンドウをイメージしたカラーを施
した。
5000系「オレンジ電車」(2024年)

5505編成は2024年8月より、車体カラーをオレンジ色に変
更した。2025年に大雄山線100周年を迎えることから、施策
第3弾として、小田原市の特産品である「柑橘類」をイメージした
カラーを施した。

1100系(1989年〜2012年)

駿豆線用車両。駿豆線車両の冷房化率を向上すべく、親会社である
西武鉄道より701系を譲り受け導入した。塗装以外は西武時代の
ままで、室内もロングシートのままである。故に通勤時間帯に集中
的に使用され、観光客の多い昼の時間帯には、あまりお目にかかれ
ない車両であった。老朽化のため2012年6月をもって引退。引
退1年前より各種引退イベントが行われた。
5000系・赤電塗装(2016年〜2023年)

5501編成は2016年10月より、大雄山線開業90周年を記
念して、懐かしのオールドカラー復刻バージョンとして朱色とベー
ジュのツートンカラー、いわゆる赤電塗装が復活した。この塗装は
1960年代の西武グループの標準塗色であり、5000系が登場
するまで見られた塗装である。2023年8月に「天狗電車」への
塗り替えのため、この塗装は見納めとなった。