にょほほ電鉄−車両−京阪電気鉄道
京阪電気鉄道は、大阪・淀屋橋から京都・出町柳へと至る京阪線と
京都・御陵から滋賀・大津を結ぶ京津線・石山坂本線、そして男山
ケーブルカーを所有する鉄道。併走する阪急やJRに比べ、線形は
劣るが二階建て車両連結の料金不要特急を運行するなど車両の質は
高い。また天満橋〜寝屋川市間の複々線は東武に次いで民鉄第2位
の長さを誇る。「京阪のる人、おけいはん」キャンペーンCMは何
故か関西に留まらない人気を博す。
※画像は、大阪・関西万博ラッピング編成
駅名標 京阪電気鉄道
駅名標は、ダークブルーをベースに白文字とし、駅名表示部の背後
にライトブルーのストライプが入るという、凝ったデザイン。進行
方向は、白のストライプ内に配された「く」の字型の矢印で表され
る。

和文書体:新ゴ
欧文書体:Frutiger

注意喚起用ドアステッカーは、細長いステッカーとなる。また戸袋
際には、同様のデザインの縦型ステッカーが貼付される。
※矢印を画像にかざすと縦型ステッカーの画像へ。

■8000系(1989年)

三条〜出町柳間の開業に伴い投入された特急型車両。前面デザイン
や側面窓は連続窓ふうにアレンジされた。当初は列車増発に伴う増
備用として登場したが、好評を博したため従来車を置き換える結果
となった。この車両も当初はテレビを設置しており、京阪特急車の
伝統であった「テレビカー」を踏襲していたがメディアの多様化に
伴い現在はその役目を終えている。登場当時は上半分オレンジに下
半分レッドの塗色であったが、現在は左記のような塗装となる。
※矢印を画像にかざすと旧塗装時代の画像に。
■3000系(2008年)

中之島線開業に伴い登場した快速急行用車両。水都大阪をイメージ
した塗色は、従来の京阪にはない紺色と白。また前面の黒い半月は
「花鳥風月」の月を表す。車両性能は10000系と同一。車内に
は転換クロスシートを備え、布地もスエード風の手触りとなり特急
車両と遜色ない車内空間となっている。通勤型とは思えない車内設
備が評価され、鉄道友の会より「ローレル賞」を受賞、また「グッ
ドデザイン賞」も受賞した。
■13000系(2012年)

2200系、2600系、5000系の老朽化に伴う代替として製
造された車両。3000系をベースとした通勤型車両で、支線など
にも投入されているため、2024年現在京阪で最多の車両数とな
る。一部編成は、プレミアムカー導入により余剰となった3000
系中間車が組み込まれ、この車両の座席は3000系時代のセミク
ロスシートのままとなっている。

※画像の前から2両目が元3000系。窓割が異なる。
■10000系(2002年)

老朽化の目立つ旧型車両を置き換えるため投入された車両。外観は
7200系をベースにしているが、一部に廃車発生部品を利用する
事により、製造コストを抑えている。また支線のワンマン運転化に
も対応している。登場当初はターコイズグリーン一色という特異な
塗色であったが、現在は新CI導入に伴いグリーンとホワイトの一
般車塗装となっている。
■7200系(1995年)

7000系に、デザイン変更を施した車両。特に前面デザインは後
の新造車全てに採用される。室内は電光表示機と地図式表示機が併
設され車椅子スペースもこの車両から設置。中之島線の開業に伴い
新CIが導入された京阪は、半世紀続いた塗装を変更する事となり
通勤型車両の塗装変更第一弾として、上半分が緑、下半分が白の新
塗装で登場した。
■7000系(1989年)

京阪初のVVVF制御車両。車体デザインは6000系を踏襲する
が「く」の字型の前面デザインの6000系に対して、垂直なデザ
インとなっている。また窓枠も凹凸が抑えられた。4編成全編成が
7両編成のため運用は区間急行や普通に限定される。
■6000系(1983年)

大手私鉄の本線では最後まで、600V電圧を採用していた京阪が
1500Vに昇圧する際に大量に投入した車両。従来の京阪車とは
全くもって異なる容姿に「車体色だけが京阪電車を物語る」と言わ
れたほどである。正面には大きな貫通扉を左側に配し前面ガラスと
一体化した、すっきりしたデザインとなっている。京阪に新風を吹
き込んだ6000系は翌年に鉄道友の会より「ローレル賞」を受賞
している。
■2600系(1978年)

1959年に登場の2000系は、タマゴ形断面の車体に高加減速
を特徴とし「スーパーカー」なる称号を授かった車両である。その
2000系に、昇圧対応工事を施した車両が2600系である。ま
た後には純然たる新造車も登場し、改造車の0番台に対してこれら
は30番台として区別される。現在は廃車が進む。
※画像は旧塗装(現存せず)
■2200系(1964年)

淀屋橋延伸による乗客の増加に対応するため製造された車両。京阪
では初めて、電動台車を持たない付随車を併結して製造コストを抑
えた。それゆえ性能は加減速に長けておらず高加減速を必要としな
い急行運用に充当される事が多い。現在は廃車が進む、
※矢印を画像にかざすと旧塗装時代の画像に。
■2200系(2270号車)

2200系のうち2270号車は、森小路駅構内で発生した事故に
より前面を破損した。しかし修繕の際に、部品を2400系(京阪
初の冷房車)更新用の部材を使用したため、前面形状は2400系
と酷似した外観となった。
■1000系(1977年)

1937年に登場の初代1000系に車体更新を施した700系を
昇圧の際に走行装置を新造品に取替えて登場した車両で、形式番号
は再び1000系を名乗る。現在は更新により前面形状も変更され
2400系に準じたデザインとなった。

■800系(1997年)

滋賀・浜大津から京都・御陵を結ぶ京津線用車両。京津線は浜大津
付近の併用軌道、逢坂山を超える登山区間、また御陵からは京都市
営地下鉄東西線に直通するという特異な路線であり、800系はそ
の様々な性質に対応した車両となる。京阪本線9000系をベース
に京津線の車体限界に合わせた小型車体となり、併用軌道があるた
め車体側面には車幅灯を備える。登場時は琵琶湖をイメージした水
色と黄色の塗色であったが、現在は京阪の標準色となる。

※矢印を画像にかざすと旧塗装の画像へ
■700形(1992年)

滋賀・比叡山と石山寺を結ぶ石山坂本線の車両。石山坂本線は軌道
路線であり、三井寺〜浜大津駅間には併用軌道もあるため、2両編
成の小型車両となる。京津線の地下鉄直通計画に伴い、架線電圧を
1500Vへ昇圧することになり、その対応車両として登場した。
デザインは京阪本線7000系を参考にしている。

■3000系(初代:1971年〜2013年)

特急列車増発に伴い登場した特急型車両。京阪特急伝統の「テレビ
カー」では初のカラーテレビ搭載車である。8000系登場に伴い
この車両は全廃の運命にあったが、サービス向上の一環として試験
的に2階建て車両の試作車両を組み込んだところ、好評だったため
1編成のみ残された。当初は3000系として登場したが、中之島
線開業に伴う直通用新型車両を新3000系としたため、2008
年に改番のうえ8030系となった。永らく京阪の看板車両として
活躍したが、2013年3月をもって引退した。
■9000系(1997年〜)

特急列車の大増発に伴い運用車両を増備する事となるも、従来の特
急車両の様な2扉車では朝ラッシュ時に慢性的な遅延を発生させて
いた。そのため、座席をクロスシートとしつつも3扉車とし、通勤
列車としても使用できるよう設計された車両。特殊仕様故、車体中
央部にはブルーのラインを追加、外観上の特徴となるが、3000
系の登場、また新CI導入に伴う新塗装化のため、現在は7200
系と同等の仕様、塗装となり、画像の塗色やクロスシートは消滅し
ている。
■5000系(1970年〜2021年)

当時の架線電圧が600Vであった京阪は、沿線人口急増という問
題がありながら編成の8両化が不可能であった。そのため限られた
条件の中で乗降時間短縮を実現すべく登場した車両。乗降扉の数が
片側5ヶ所という、日本初の多扉車である。また閑散時には3扉車
として使用できるよう一部の扉には昇降式座席を備えた。そのため
重量増加対策として京阪初のアルミ車体となる。ホームドアに対応
できない事や老朽化のため2021年9月をもって引退した。
■1900系(1963年〜2008年)

淀屋橋延伸開業時に登場した4代目特急形車両。前面のバンパー風
飾り帯が特徴。編成内の一部車両は、3代目特急車両・1810系
から編入された車両が含まれており、この車両は1956年製造と
いう実に年代物の車両であった。旧3000系(現在の8030系)
登場によって一般車両へと格下げされながらも引き続き活躍したが
新3000系の登場により、2008年をもって引退した。