にょほほ電鉄−車両−名古屋鉄道
名古屋鉄道は、愛知・岐阜地区を中心に路線網を広げる鉄道で、日
本では近鉄、東武に次いで第3位の規模である。中部地区では唯一
の大手私鉄であるが、名古屋はトヨタ自動車のお膝元。ライバルは
JR東海より自動車であり、末端路線では廃止が相次ぐなど苦戦を
強いられている。しかし2005年には中部国際空港への乗り入れ
が実現、空港アクセス鉄道の一面も持つようになった。
※写真は優等車両車内に設けられた速度計。
駅名標 名古屋鉄道
駅名標は、名鉄コーポレートカラーをストライプとして配したシン
プルかつ見やすいデザインとなる。

和文書体:ゴナ
欧文書体:Helvetica

■2000系(2005年)

中部国際空港開港とともに登場した特急車両で「ミュースカイ」の
愛称で呼ばれる。名鉄の新コーポレートカラーでかつ空のイメージ
である青をアクセントとした。曲線区間も高速に走行できるよう車
体傾斜装置を初装備。室内には空港特急らしく荷物置場が設置され
ている。なおこの車両は全車座席指定車である。鉄道友の会「ロー
レル賞」受賞車。また「グッドデザイン賞」も受賞している。
■2200系(2005年)

2000系とともに空港アクセス特急として登場した車両。しかし
2000系とは違って一般車が併結されており、塗装も従来の名鉄
と同様に赤基調となる。また2000系で装備されていた車体傾斜
装置は、この車両では搭載されていない。空港輸送が中心であるが
通常の特急運用にも充当される。
■1000系・1200系(1988年)

名鉄線の東西直通40周年を記念して登場した車両。より高い快適
性に応えるべく設計された。先頭車は8800系(現在廃車)と同
様に1階が運転室、2階が展望室となり快適な眺望を実現。当初は
全車座席指定であったが、JR東海への対抗措置として1991年
に一般車4両を併結、現在は豊橋方2両が座席指定車の1000系
岐阜方4両が一般車の1200系となる。
※画像は旧塗装時代。
■5700系・5300系(1986年)

SR車と呼ばれる初期の優等列車用車両の老朽化に伴い製造された
急行用車両。パノラマカー・7000系の影響が随所に現れており
快適性の高い車両である。なお5700系は完全新造車両であるが
5300系は廃車となった5000系の走行装置を流用した車両と
なる。ただ制御装置は種車のままではなく界磁添加励磁制御という
簡易省エネ制御へと改造されている。
■3300系・3150系(2004年)

本線系統では初のステンレス製車両。名鉄初のステンレス製車両で
ある小牧線用300系をベースとしながら19m中型車・3扉車と
なっている。シルバー地ながらスカーレット色のストライプで名鉄
車両をアピール。4両編成が3300系、2両編成が3150系で
ある。
■3700系・3100系(1997年)

名鉄初のVVVF制御車である3500系のマイナーチェンジ車。
性能等は3500系と同一であるが、車体断面が従来のタマゴ形で
はなく、側面が垂直となっているのが特徴。4両編成が3700系
2両編成が3100系である。
※手前2両が該当車両の3100系。
■3500系(1993年)

名鉄初のVVVF制御車両。運転台のマスコン(ハンドル)もワン
ハンドルとなるなど新機軸を随所に盛り込んだ車両である。前面に
掲げられた「ECB」エンブレムは、電気指令式ブレーキの意味。
ただし性能の向上に反し室内はロングシートのみとなる。前面形状
は6500系後期車に倣った「金魚鉢」形状。なお登場当初は乗降
扉がグレーと赤の塗色であったが、現在は他車両と同様に赤一色と
なっている。
■6500系(1984年)

6000系をベースに制御装置を界磁チョッパ制御とした車両。前
面形状は6000系後期車と同様の、いわゆる「鉄仮面」と呼ばれ
る形状。車体寸法等、以後の名鉄車両の標準となった車両である。
■6500系(6次車・1987年)

6500系は1987年登場の6次車からは5700系の前面形状
をモチーフとした丸みのある前面形状となった。車内からの眺望を
良くするための改良であるが、球面のガラスから「金魚鉢」なる称
号が与えられている。
■6000系(1976年)

従来の名鉄車両の標準であった2扉・クロスシート車両では混雑時
に対応しきれなくなった事から、他都市と同様の3扉車で製造され
た車両。ただし座席は集団離反式のクロスシートとなり、名鉄のこ
だわりが伺える。このこだわりの座席配置が評価され、鉄道友の会
「ブルーリボン賞」を、通勤車両では初めて受賞した。なお9次車
以降は6500系初期車と同様の前面形状となる。

■1030系・1230系(1993年〜2019年)

1000系の運用拡大による車両不足に伴い廃車された7500系
の走行装置を流用して車体のみ1000系と同様の車体で製造され
た車両。座席指定車が1030系、一般車が1230系。外観は殆
ど変わらないが、全車電動車である事とパンタグラフの位置が異な
る。また台車や制御装置は種車を踏襲する。老朽化に伴い2019
年3月をもって引退した。
■7000系(1961年〜2009年)

自動車王国である名古屋においてインパクトを与えるべく開発され
た車両。何と言っても特徴的なのは、イタリア特急を思わせる前面
展望室で日本初の試み。また万一の衝突事故にも耐えうるよう油圧
ダンパも装備された。この装置は実際にダンプカーとの踏切事故に
遭った際に、効果を発揮し乗客の命を守った。鉄道友の会「ブルー
リボン賞」受賞車。老朽化により、惜しまれつつ2009年をもっ
て引退した。
■1380系(2003年〜2015年)

1993年に登場した1030系・1230系のうち1134編成
は、2002年に踏切事故に遭い豊橋方先頭車両は大破した。しか
し岐阜方4両は破損を免れ、この4両に一般車化改造を施したのが
1380系。その様な経緯ゆえ1編成のみの特異な存在であった。
また車内は特急車時代のままであった。普通列車を中心に活躍した
が2015年9月をもって引退した。