にょほほ電鉄−車両−東京地下鉄
東京地下鉄は、日本最大の地下鉄会社。現在は9路線を所有す
る。最も古い路線は銀座線で開業は1927年。東洋初の地下
鉄と呼ばれ開業時は乗客で連日賑わった。自動改札の前身に当
たる「ターンスタイル」をこの頃、既に採用、創業者の先見の
明が伺える。戦後に特殊法人である「帝都高速度交通営団」が
発足。以後2003年まで路線運営に従事したが、特殊法人改
革により営団は解散、株式会社化された。
駅名標 東京地下鉄(東京メトロ)
駅名標は、株式会社化後しばらくは営団時代のものを使用して
いたが、2005年より東京メトロ仕様のものが登場した。大
手町駅にて試験採用されたダークブルーの駅名標を経て、本格
採用されたのは白ベースにラインカラーを配したタイプ。
※矢印を画像にかざすと営団時代の駅名標の画像へ。

和文書体:新ゴ
欧文書体:Frutiger

注意喚起用ドアステッカーは、営団時代後期からキャラクター
を配した絵柄が続いていたが、2016年よりピクトグラム風
の絵柄となる。
※矢印を画像にかざすと車外側ステッカーの画像へ。




■17000系(2021年)

副都心線・有楽町線用車両。7000系の置換え用として登場した車両。外観は10000系の丸いながらも直線的なデザインに対して、全体的に優しい印象となる。また車内もラインカラーをより強調した配色となる。2021年2月21日に営業運転を開始した。なおデビュー前にグッドデザイン賞を受賞するという異例の経歴を持つ。
■10000系(2006年)

副都心線用車両。また有楽町線用7000系の置換え用として登場した車両。車体強度の向上や室内材質の難燃性向上など、安全性を高めた仕様となる。外観は営団時代の名車である丸ノ内線用300形の面影を反映させ、丸い前面形状に鍵穴状のライトを採用。さらに警笛も営団旧型車と同等の空気笛を採用するという凝り様である。

■07系(有楽町線:1992年〜2007年)

有楽町線と小竹向原〜和光市間で線路共有する副都心線はワンマン運転のため、共有部を含む全駅にホームドアを設置するが、07系のドア配置(運転室面積確保に伴って車端寄りドアを中央側に寄せまた部品数の削減でこの構造を全車両に反映させている)と合わず結果07系は2007年をもって有楽町線での使用が休止、現在は東西線で活躍。
■7000系(1974年〜2022年)

世界初の技術を採用した6000系に小改良を加え、より省エネ性を高めた車両。後年に予定されていた西武線乗入れを考慮に入れ、前面扉上に列車種別表示用の小窓を設けた(ただしこの小窓は一度も使われていない)後年は副都心線対応用としてワンマン運転対応工事を施され、ストライプもブラウンとゴールドの塗色となった。


■9000系(1991年)

南北線用車両。営団(当時)初のワンマン運転路線であり、車両もワンマン運転に対応。また勾配の多い路線である事から、省エネかつ出力が大きいVVVFインバータ制御を初採用した。前面ガラスは視認性を高めたパノラマタイプ。また初期製造車にはボックスシートが設置された(2次車以降は廃止)東急目黒線乗入れ開始時には、当初は地下区間のみの走行であったため省略されていた、側面の行先表示や遮光カーテンが追加設置された。現在は1次車よりリニューアル工事が施される。
※下段はリニューアル車。
■9000系(5次車・2009年)

南北線用車両。2009年のダイヤ改正による乗入れ区間の拡大のために2編成が増備された。車体は10000系の設計思想を取り入れ、車体強度やリサイクル性の向上が図られた。また前面下部やストライプにデザインの変更が見られる。

■18000系(2021年)

半蔵門線用車両。8000系の置換え用として登場した。外観は同時期に登場した17000系と同等の雰囲気ながら前照灯は08系や8000系に通ずる直線的なデザインとなる。車内は座席や床敷物、天井、吊り革に至るまで紫色をあしらっている。2021年8月7日に営業運転を開始した。グッドデザイン賞受賞車両。
■08系(2003年)

半蔵門線用車両。水天宮前〜押上間の延伸開業に伴って増備された。東西線用車両である05系をベースとしているが、前面形状は直線的な形状となる。前照灯は青白い光が特徴のHIDを採用。6編成が製造された。なおこの車両は営団時代最後の新造車両である。
■8000系(1981年)

半蔵門線用車両。開業当初から活躍。奇抜なデザインで注目を浴びた千代田線6000系のデザインを踏襲するが、若干のアレンジが加えられている。また内装は、当時の営団総裁の「モーツァルトのイメージを」という提案を採用し、上品ながら軽快な内装となっている(現在はリニューアルにより変更)18000系投入により廃車が進む。


■16000系(2010年)

千代田線用車両。6000系の老朽化に伴い代替車両として登場した。走行装置には永久磁石同期電動機を採用、これは新造車両としては国内2例目となる(改造車を含めると3例目)また部材のアルミ合金統一化を高め、リサイクル性も向上。環境に配慮した車両となる。1次車は貫通扉が中央に配置されていたが、運転席からの視認性向上を目的とし2次車からは貫通扉が左寄りとなっている。鉄道友の会「ローレル賞」受賞車両。

■16000系・4次車(2015年)

千代田線用車両。千代田線は車両数が多いため、更新期間中の電気品の技術進歩を想定して1〜3次車と4次車以降を別々に発注をかけている。4次車からは、前照灯や室内灯をLEDへと変更、また補助電源は使用電力が少ない場合に2台のうち1台を休止させる事が可能となり、消費電力の大幅な削減が実現した。ストライプの補助色は黄緑に変更された。

■06系(1992年〜2015年)

千代田線用車両。輸送力増強のため投入された。車内は「千代田」という地名にちなんで「和」の雰囲気が漂う。07系とは共通設計。運転室の面積確保目的と部品点数削減のため、ドア配置が変則的となり、そのため扉間の座席数が均等になっていない。たった1編成の存在であった。2015年をもって引退した。
■6000系(1971年〜2018年)

本格的な省エネルギー電車として、世界初の電機子チョッパ制御を採用した車両。運転室スペースを広く取る発想から前面非常扉を左側に大きくずらしデザイン上の大きな特徴となる。他に類を見ない奇抜なデザインや、世界初の技術が評価され、鉄道友の会から「ローレル賞」を受賞している。老朽化のため2018年をもって引退した。

■15000系(2010年)

東西線用車両。東西線の慢性的な混雑による列車遅延に対応するため東西線に再びワイドドア車を増備する事となった。05系ワイドドア車をベースに10000系の設計思想を反映させた。13編成が登場し05系初期車を置換えた。
■07系(1992年新製 → 2007年?転入)

当初は有楽町線の列車増発用として製造された07系。車内は「有楽町」という地名をイメージした、油絵調の雰囲気となる。有楽町線と一部区間で線路共有する副都心線は、ワンマン運転のためホームドアを設置するが、これが07系のドア配置と合わず(理由は06系の項目で)有楽町線での使用が休止、東西線へ転属した。
■05系(1988年)

5000系置き換えのために登場した車両。前面デザインは、快速運転を行う東西線のイメージを反映したスピード感ある形状。登場時期によって変更点が多いのが特徴で、後年登場の車両には乗降扉を拡大した編成や、前面デザインを変更した編成が存在する(下記参照)なお新形式車15000系登場に伴い一部車両は廃車が始まった。

■05系ワイドドア車(1991年)

都内で最も混雑率の高い地下鉄である東西線の乗降時間短縮を目的に、1991年落成の4次車は乗降扉を1.8mに拡大したワイドドア仕様で登場した。翌年の5次車を含めて5編成が揃うが、期待ほどの効果が得られなかった事から、以後の車両は再び通常幅の乗降扉にて製造された。しかし、2010年に登場した15000系は再びワイドドア仕様で製造された。現在はリニューアル工事が施工される(画像はリニューアル車)
※下段はワイドドアの画像。
■05系・8次車〜(2000年)

東西線用車両である05系は、2000年に落成の8次車より前面形状を大幅に変更、従来車と雰囲気を異にする。さらに13次車以降は、日立製作所の製造技術「A−Train」を用いた、溶接箇所の目立たないスッキリとした外観となる。乗入れ先の東葉高速鉄道2000系は、05系13次車との共通設計車である。


■5000系(東西線:1964年〜2007年)

東西線用の初代車両。開業当時から活躍した。日比谷線用初代車両である3000系に続くステンレス車であるが、デザインは切妻となる。また1967年にはアルミ車体の試作車として、営団初のアルミ車体として製造された。長らく東西線の主力車両として活躍したが、東西線の信号装置更新に伴い2007年をもって引退した。

■13000系(2017年)

日比谷線用車両。ホームドア導入計画に伴う20m級大型車への統一化のため導入した。外観は初代3000系の武骨な雰囲気を踏襲しつつ近未来的なデザインとなる。車内は荷棚に江戸切子模様を用いるなど「東京色」を演出している。走行装置は自己操舵機能付き台車を採用し、曲線の多い日比谷線において通過性能の向上が図られた。

■03系(1988年〜2020年)

日比谷線用車両。輸送力増強で急遽、車両増備が決まり、時間がないため、性能は05系と同一とし、デザイン検討も完成予想イラストからいきなり車体を製造してしまうという無謀な工程で完成した。日比谷線は、駅の構造上、前と後ろの車両が混雑するのでその部分を片側5扉とした車両が存在する。2020年2月をもって引退した。
■3000系(1961年〜1994年)

日比谷線用の初代車両。開業当初から活躍。営団初のステンレス車体で丸みを帯びた鋼体にコルゲート(波状加工)が前面に回り込むデザインは斬新で、後にマッコウクジラなる愛称を持つ。車体の構造上、冷房化にコストがかかることから03系に主役を譲り1994年に廃車となった。なお一部車両は長野電鉄へ譲渡された。

2000系(2019年)

丸ノ内線用車両。02系の老朽化に伴い登場した。戦後の東京にインパクトを与えた300形を思わせる、真っ赤な塗装を再現。また300形の特徴であった銀色のサインウェーブも再現されたが昨今のホームドア設置でも見えるよう幕板部に配置されている。前面形状や一部の窓を丸くするなど「丸」を意識したデザインとなっている。

■02系(1988年〜2024年)

丸ノ内線用車両。銀座線01系をベースとするが車体寸法が異なる。また、戦後の東京に強烈なインパクトを与えた名車・300形の雰囲気を残すべく、赤いストライプの中には白を加え、また前照灯も小ぶりなものとした。 後年は側面や室内配色に、300形をイメージしたデザインとしたが、老朽化のため2024年3月をもって引退した。

■500形(1957年〜1996年)

丸ノ内線用車両。赤い車体に波模様付きの白い帯という戦後の東京に強烈なインパクトを与えた300形の流れをくむ車両。長編成化が進んだ丸ノ内線で両運転台車が必要なくなったため片運転台車として登場した。02系が登場した後も「赤い地下鉄」として親しまれたが、惜しまれつつも1996年に引退。一部車両は廃車後にアルゼンチンへ輸出された。
■2000形(丸ノ内線:1968年〜1993年)

丸ノ内線の方南町支線で開業より活躍していた100形(もと東京高速鉄道)の置き換えとして、銀座線より移籍し投入した車両。移籍にあたり、狭い車体幅を埋めるステップ取付、丸ノ内線カラーへの塗色変更が行われた。ただしサインカーブは省略されている。500形の余剰車が方南町支線に転属されたため、1993年に引退している。

1000系(2012年)

01系の置き換えのため登場した車両。東洋初の地下鉄として開業した銀座線の初代車両のイメージを表現すべく、レモンイエローの外観は、塗料ではなくフィルムによる全面ラッピングを採用。走行装置は自己操舵機能付き台車を採用し、曲線通過性能の向上が図られた。鉄道友の会「ブルーリボン賞」を、地下鉄車両では初めて受賞した。

1000系・特別仕様車(2017年)

銀座線用車両。1000系のうち最終増備車である4次車は、開業90周年を記念して、初代1000形のレトロな雰囲気を強調した仕様となった
。前照灯は1灯となり、塗装も、戦前の車両で窓周りの補強部材として用いられた、ウィンドウ・シル/ヘッダーが再現されたデザインとなった。内装は木目調で、手すりも真鍮色とされた。さらに銀座線旧型車の特色であった予備灯も設置されている。
※下段は室内の画像。

■01系(1983年〜2017年)

オレンジ色の戦前製旧型車両が数多く在籍していた銀座線のイメージアップを図るため投入された。車体はアルミ無塗装地にオレンジ・黒・白のラインをまとう。車内は次駅表示装置やドアチャイムなど新機軸が満載。鉄道友の会「ローレル賞」受賞車両。老朽化のため2017年をもって引退した。
■2000形(1959年〜1993年)

吊掛け駆動よりも静音性の高いカルダン駆動を、銀座線で本格的に採用した車両で、1900形の試作を経て大量に投入された。ただし丸ノ内線車両の様な補助電源が搭載されなかったため、駅到着直前などで車内の照明が一瞬消えるという旧態依然の性能であった。昭和後期の銀座線を代表する車両であったが、老朽化に伴い1993年に引退した。