にょほほ電鉄−車両−南海電気鉄道
南海電気鉄道は、阪堺鉄道を起源とし、難波から和歌山へと至る南
海本線と、高野山電気鉄道を起源とし、難波から高野山へ至る高野
線とに分類される。南海本線の泉佐野駅から分岐し、関西空港へ至
る空港線には関西私鉄初の空港特急が走り、強烈なインパクトの車
両はファンならずとも注目した。また支線は都市部の路線でもロー
カルな雰囲気の漂う路線が多い。現存する大手私鉄では最も歴史が
古く、創立は阪堺鉄道設立の1884年。

車両紹介欄の
は南海本線、は高野線車両
駅名標 南海電気鉄道
駅名標は関西では珍しく複数のカラーを使用したものとなり、かつ
南海線・高野線・空港線とでラインカラーを設け、最下部にストラ
イプを配す。この駅名標は日本サイン・デザイン協会主催の「SD
A賞コンテスト」の部門賞を受賞している。なお写真は南海本線の
ものでブルーのアクセントが入る。
※矢印を画像にかざすと高野線の駅名標へ。

和文書体:ゴシック4550
欧文書体:Helvetica

注意喚起用ドアステッカーは、駅名標とは異なり一色刷りのデザイ
ンとなる。しかし元々が淡い色調のため、ほとんどのステッカーは
退色が激しい。
※画像は、比較的新しい車両である8000系のものを撮影。
戸袋際には、子供向けステッカーも貼付されるが、大阪市営地下鉄
のものと同様に、子供が手を挟まれている絵柄となる。左側が男の
子、右側が女の子のイラストとなる(
女の子の画像はありません
結構幼めな子供が涙を流しており、実に可哀想な絵柄である。
※矢印を画像にかざすとステッカー「近影」へ。

50000系(1994年)

大阪難波と関西空港を結ぶ特急「ラピート」用として製造された車
両。何と言っても特徴的なのは外観形状で「レトロフューチャー」
をコンセプトとしたデザインは一説によれば蒸気機関車と飛行機の
イメージを近未来風にアレンジしたものだとか。ただ塗色が青一色
ということもあって「鉄人28号」とも呼ばれているらしい。鉄道
友の会「ブルーリボン賞」受賞車。
12000系(2011年)

南海本線用特急列車「サザン」の最新鋭車で10000系の老朽化
に伴い登場した。車体は、8000系を踏襲したステンレス車体。
また車内にはシャープ製イオン発生器「プラズマ・クラスター」を
搭載し車内環境の向上を目指した。「サザン・プレミアム」の愛称
で呼ばれる。2011年9月より営業運転を開始した。
10000系(1985年)

南海本線用車両。大阪難波と和歌山港を結ぶ特急「サザン」に使用
される。登場当初は白地にグリーンの塗色であったが1992年の
CI導入に伴い、シルバー地にブルー・オレンジの塗色に変更され
た。また当初は2両編成であったが後に4両編成とされた。増備さ
れた中間車は窓形状が異なる。なお実際の運用では画像のように普
通車両を併結して運行される。鉄道友の会「ローレル賞」受賞車。
30000系(1983年)

高野線用車両。橋本〜極楽橋の山岳区間は急勾配でかつ大型車両の
直通が困難であるため直通可能な17m級車体と、山岳区間対応の
性能となっているのが特徴。この幅広い性能を持つ事から「ズーム
カー」と呼ばれる。新CI導入に伴い他車両はシルバー地にブルー
とオレンジの帯に塗装変更されたが、この車両だけは登場当時のま
まの塗色を保つ。高野山観光客輸送の特急「こうや」の他、最近は
橋本までの通勤特急「りんかん」でも活躍。
8000系(2代目・2008年)

南海本線用の最新鋭通勤型車両。7000系の老朽化に伴う置き換
え用として製造された。車体は1000系を踏襲しながらも、製造
元の東急車輛(現・総合車両製作所)が開発に携わった東日本旅客
鉄道E231系の思想を取り入れている。現在は、通勤輸送のほか
12000系と連結のうえ特急「サザン」としても活躍する。
1000系(1992年)

南海本線と高野線両路線で共通運用が可能な車両として製造された
車両。また20m級大型車両では初のVVVF制御となる。鋼体は
ステンレス車体であるが、新CI制定によりこの車両はグレー地に
ブルー・オレンジの新塗装が施された。ただし2001年登場の6
次車ではステンレス無塗装となる。1次車は車体幅が狭いタイプの
車体であり南海本線と高野線両線に投入されているが2次車以降は
広幅車体となり南海本線にのみ投入される。
9000系(1985年)

南海本線用車両。南海本線初のステンレス車両となる。旧1000
系の老朽化に伴い高野線用8200系をベースに製造された。登場
当時は、ステンレス車は高野線のみであり、誤乗防止のため当時の
南海本線の塗色であったグリーンのストライプが施された。しかし
後のCI導入に伴い、ブルーとオレンジのストライプに変更されて
いる。
7100系(1969年)

南海本線用車両。7000系の改良版として登場した。数年後に控
えていた、架線電圧の1500V化により旧型車を大量に置換える
べく投入された。7000系との相違点は乗降扉が両開き扉となる
点と側面窓が一段下降窓となっている点である。普通列車から特急
「サザン」自由席車までの幅広い運用に就く。しかし海岸付近を通
る車両ゆえ、塩害による老朽化が進み、置換えも予定される。
2000系(1990年)

高野線用車両。橋本〜極楽橋間の山岳地帯を走行可能な仕様のいわ
ゆる「ズームカー」であり乗降扉も2扉となる。南海初のVVVF
インバータ制御車両であるが、この制御装置の省エネ効果や回生ブ
レーキは列車本数の少ない区間では効果が無く自車の走行そのもの
にも影響するため、沿線変電所に対応装置を設置する事により導入
が可能になった。高野線のダイヤ改正により運用余剰となったため
一部車両は7000系置換え目的で南海本線へと転属された。
※矢印を画像にかざすと南海本線所属車両の画像へ。
8200系(1982年)

高野線用車両。1975年に、制御装置の試験のために製造された
8000系(初代)の実績をもとに製造された車両。製造コストを
考慮して界磁チョッパ制御とされた。前面形状は6200系をベー
スとしながらも若干の変更が施され、印象が異なる。車体長が20
m級大型車であり山岳区間には入線できず、難波〜橋本間の通勤輸
送に充当される。なお2000系以前の高野線ステンレス車は、登
場時は無塗装であったが、現在は写真のような塗装となる。
6200系(1974年)

高野線用車両。6100系をベースとしながらも製造コストの低減
が図られ、前面形状は切妻形状となった。また走行装置や空調装置
にも変更が及んでいる。車体長が20m級大型車であり山岳区間に
は入線できず、難波〜橋本間の通勤輸送に充当される。6512編
成は、電機子チョッパ制御の試作車両であり当初は8000系(初
代)と呼ばれたが、後に制御装置の変更により、当形式に改番され
ている。
6300系(1996年改造)

高野線用車両。1970年登場の6100系は南海本線用7100
系に倣い6000系の改良版として登場した車両。6000系との
相違点は、乗降扉が両開き扉となる点と、側面窓が一段下降窓とな
っている点。車体長が20m級大型車であり山岳区間には入線でき
ず難波〜橋本間の通勤輸送に充当される。1996年から2009
年にかけて、台車の交換工事と内装の変更が施され、6100系は
6300系と改番された。
6000系(1962年)

高野線用車両。南海初のステンレス製車両である。また関西私鉄初
のオールステンレス車両である。高野線の最古参であり、今や大手
私鉄では数少なくなった片開き扉車であるが今も当線の主力として
活躍。車体長が20m級の大型車であり、山岳区間には入線できず
なんば〜橋本間の通勤輸送に充当される。
2200系(1994年)

1969年に登場した22000系は高野線山岳区間直通用として
製造された車両であるが、2000系登場により余剰となったため
支線の車両近代化の目的で、改良を施され転属された。基本編成は
ワンマン化工事以外に目立った改造は施されていないが、30番台
は支線転出用に事前に改造工事を施された編成である。現在は汐見
橋支線、高師浜線等で活躍する。

7000系(1963年〜2015年)

南海本線用車両。既に高野線ではステンレス車両の6000系が登
場していたが、こちらはデザインこそ6000系を踏襲するものの
従来通り普通鋼で製造された。これは踏切の多い南海本線において
踏切事故等での修繕のし易さから普通鋼が採用された。普通列車か
ら特急「サザン」自由席車までと幅広い運用が行われたが、老朽化
のため2015年10月をもって引退した。