にょほほ電鉄−車両−西武鉄道
西武鉄道は、武蔵野鉄道を起源とし、池袋から飯能・秩父へと至る
池袋線系統と、旧西武鉄道を起源とし、新宿と本川越を結ぶ新宿線
系統に大別される。沿線観光開発には意欲的で、自社線沿線の秩父
のほか、伊豆箱根鉄道を介して箱根、また所沢に野球場を建設して
プロ野球球団を誘致し「西武ライオンズ」とした。球場周辺を含む
所沢や国分寺一帯には自社所有の観光施設が集中し、周囲には本線
から分岐した支線が幾つも存在するのが特徴。
※画像は「埼玉西武ライオンズ」の本拠地である西武ドーム
駅名標 西武鉄道
新CIを採用した西武では、従来のシンプル極まりない駅名標から
左記のようなブルー基調の駅名標へと変更された。書体は以前の丸
ゴシック体ではなく角ゴシック体となる。

和文書体:AXISフォント
欧文書体:Helvetica

注意喚起用ドアステッカーは、30000系を模したキャラクター
が両手を広げている絵柄である。両手を広げているので左右どちら
のドアにも貼付可能となる。
※矢印を画像にかざすと車外側ステッカーの画像へ。

■001系(2019年)

最新鋭特急専用車両。10000系の老朽化に伴い登場した。「今
までに見たことのない車両」を目指し、風景に溶け込む外観とリビ
ングのような内装をコンセプトに製造された。前面は球面形状とし
ながら将来の地下鉄直通を考慮に入れ貫通扉を備える。また側面窓
は縦方向1350mmという大型となる。座席はリビングのソファ
をイメージし、配色の黄色は西武線の通勤電車のカラーからヒント
を得ている。車両愛称は「Laview」とされた。2019年3
月に営業運転を開始した。「グッドデザイン賞」金賞受賞車両。
■10000系(1993年)

西武の特急専用車両。レッドアローの愛称を持つ。丸みを帯びた車
体やグレーの内外装など些か地味な印象であるが、眺望に優れた大
型側面窓に観光特急としての特色を見出せる。なお、車体は新造で
あるが、走行機器は旧レッドアローである5000系の廃車発生品
を流用している。これは西武秩父線が山岳路線でかつ閑散路線であ
り、最新走行技術も効果が表れず、廃車発生品を使用したほうが得
策であるため。老朽化に伴い現在は池袋線特急から撤退し、新宿線
特急「小江戸」で活躍する。
■40000系(2017年)

西武の最新鋭車両。
2017年3月より運行を開始した座席指定列
車「S−TRAIN」用車両として製造された。30000系に続
いてアルミ製車体となるが、地下鉄直通を考慮し狭幅車体に戻され
ている。池袋寄り先頭車には車椅子やベビーカー利用者に配慮した
パートナーゾーン」が設置され、この部分の側面窓が大型化され
ている。また妻面側以外の座席はクロスシートとロングシートの切
替えができる「デュアルシート」を採用し、座席指定列車とそれ以
外の列車の双方に対応する。「グッドデザイン賞」受賞車両。
■30000系(2008年)

101系・301系の老朽化に伴う置換えのために登場した車両。
「スマイルトレイン」の愛称を持つこの車両は、その名の通りアニ
メキャラのような前面形状が特徴で「たまご」がモチーフとされる。
また内装も同様のコンセプトに基づいたデザイン。アルミ鋼を用い
た車体は、20000系に続いて日立製作所の車両製造技術「A−
Train」を採用、滑らかな外観が特徴である。子供たちの創造
性と未来を拓き安全・安心に貢献するデザインに贈られる「キッズ
デザイン賞」を、鉄道車両として初めて受賞した。
■20000系(2000年)

101系初期車の置換えのため登場した車両。6050系に続いて
アルミ車体となるが「環境と人に優しい」がコンセプトのこの車両
は、日立製作所の製造技術「A−Train」を採用。溶接箇所の
目立たないスッキリとした外観と、走行音の低減を実現。また座席
の素材にはリサイクル可能な素材を使用する。前面形状はシンプル
ながら印象的なデザインとなる。
■6000系(1992年)

有楽町線への乗入れ用に登場した車両で、西武の高速車両では初の
VVVFインバータ制御で、かつ西武初のステンレス車両である。
アクセントカラーとして採用された色はブルーで、当初は黄色ばか
りの西武車の中で異端な存在であった。登場当初は前面がシルバー
に塗装されていたが、東京メトロ副都心線乗り入れ対応工事が行わ
れた際に、前面が白色に塗装された。ただし量産先行車である2編
成のみは前面がシルバーのまま、新宿線にて活躍する。
※矢印を画像にかざすと登場当時の画像に。
■6050系(1996年)

地下鉄乗入れ用として登場した6000系は、1996年製造車両
からは西武初のアルミ車体となり一層の軽量化が図られた。しかし
アルミ車体であるもののグレーに塗装されており、やや雰囲気が暗
い。なお翌年製造の車両からは更なる軽量化の目的で戸袋窓が廃止
されている。当初は前面がシルバーに塗装されていたが、東京メト
ロ副都心線乗り入れ対応工事が行われた際に、前面が白色に塗装さ
れた。
■4000系(1988年)

秩父鉄道への乗り入れ用途として製造された車両。室内はボックス
シートが並び、観光路線の車両であることを主張している。車体は
新造であるが、走行装置は101系の廃車発生品を流用している。
これは西武秩父線が山岳路線でかつ閑散路線であり、最新走行技術
も効果が表れず廃車発生品を使用したほうが得策であるため。西武
秩父線で活躍するが、過去には秩父方面への快速急行として池袋に
姿を現していた。
※画像は池袋線内での撮影。現在この運用は存在せず。
■2000系(1977年)

新宿線の混雑時の乗降時分短縮のため、新造車としては初めて4扉
車として投入した車両。また、西武初の界磁チョッパ制御、電気指
令式ブレーキを採用する。前面には、新宿線の新宿駅地下乗入れを
考慮に入れ(この計画は後に頓挫)非常用の貫通扉を設ける。当初
は新宿線用として投入されたが、1988年には車体デザインを大
幅に変更した新バージョンを新宿線と池袋線に投入した(下記参照)
新形式車が登場後もなお、西武の主力車両として活躍する。ただし
画像の初期車は原則、新宿線の所属となる。
■新2000系(1988年)

西武初の4扉車である2000系は、当初は新宿線専用であったが
池袋線の混雑も深刻となったため、1988年に再び製造が開始さ
れた。その際、車体デザインを大幅に変更し前面は黒枠の目立つ外
観となる。また側面も戸袋窓の復活、また一段下降窓を採用した。
現在では池袋線、新宿線のほか、支線(ワンマン区間を除く)でも
見る事が出来る。
■9000系(1993年)

輸送力の更なる増強のため、廃車となった101系の走行機器を流
用のうえ、新2000系と同等の車体を新たに製造、4扉車として
再登場した。この車両は9000系を名乗る。車内は6000系と
同等で電光表示機や車椅子スペースが設けられた。なお制御機器は
当初は種車の抵抗制御を踏襲していたが、更新工事でVVVFイン
バータ制御化され、前面には省エネをアピールする、地球を模した
ステッカーが貼付された。現在は老朽化に伴い10両編成は消滅し
ワンマン化改造された4両編成が多摩湖線・西武園線で活躍する。
※画像は池袋線での撮影、現存せず。



■新101系(1979年)

西武秩父線の開業と共に、山岳地帯でも安定した走行が可能な仕様
として登場した101系。1979年製造の車両より前面デザイン
が大幅に変更され、運転台も高運転台となった。また大量に製造さ
れたため増備途中で番号が300番台となり、後期製造車は301
系とも呼ばれた。新型車両との置換えが進み、301系は形式消滅
し、現在は多摩川線でワンマン運転対応車両のみが活躍する。なお
車体塗色は1960年代の標準塗色であった「ラズベリーレッド×
トニーベージュ」やデビュー時の塗色である「イエロー×ウォーム
グレー」の復刻塗色、グループ企業である伊豆箱根鉄道塗装編成や
近江鉄道「湖風号」塗色編成が登場している。
■8500系(1985年)

西武園内の遊戯施設としてスタートした西武山口線は1985年に
案内軌条電車(新交通システム)として改修されたが、その際に製
造された車両。白地に青・赤・緑の3本線を巻くこの塗装はライオ
ンズカラーと呼ばれ、西武ライオンズのイメージカラーでもある。
なお制御装置はVVVFインバータ制御を採用したが、これは西武
初、また新交通システム初の採用でもある。

■10000系レッドアロークラシック(2011年〜2021年)

2011年11月、10105編成が旧レッドアロー5000系の
塗色を再現し「レッドアロークラシック」として登場した。座席背
面には、西武秩父線開業当時の西武沿線の写真が飾られ、写真展と
している。登場初日には臨時特急として池袋〜西武秩父間を1往復
また同12月には、運行記念として、1週間限定で拝島線拝島行き
の臨時特急が設定された。老朽化のため2021年4月をもって定
期運用を離脱、同6月に引退した。
■5000系(1969年〜1996年)

西武秩父線開業にあわせて登場した、西武初の特急型車両。山岳路
線走行用として登場した101系の性能をそのまま採用している。
社紋を配した先頭部には前照灯が4つも並び車内仕切扉は自動ドア
である等インパクトの強い車両で、翌年に鉄道友の会より「ブルー
リボン賞」を受賞。10000系登場に伴い引退となったが、現在
は先頭車両が横瀬車両基地で静態保存されている。また一部車両は
富山地方鉄道にて第二の活躍をする。
■3000系(1983年〜2014年)

池袋線の車両の省エネルギー化を目的として登場した車両。新宿線
用2000系と同等の性能を有するが、当時の池袋線の輸送体系に
併せるべく、再び3扉車で登場した。しかし性能の相違で、車体が
酷似する101系とは連結できず、運用は終日8両編成で運行する
列車のみと限定されてしまい「使いづらい車両」となってしまった。
3011編成は沿線の練馬区の活性化事業の一環として松本零士氏
デザインによるアニメ電車となった。本線系統の全車4扉化のため
2014年12月をもって引退した。
※矢印を画像にかざすとアニメ電車の画像に。
■101系(初期型・1969年〜2010年)

西武秩父線の開業と共に登場した車両。山岳地帯でも安定した走行
が可能な仕様となっており、高出力・高ブレーキ性能となる。初期
車と後期車では前面デザインが異なるが、初期車は、最後まで残っ
ていた多摩川線車両が2010年11月をもって引退した。